田中将大が繰り返した「まだまだ、これから」 防御率ワースト→右肘手術…35歳の現在地

オープン戦に先発した楽天・田中将大【写真:町田利衣】
オープン戦に先発した楽天・田中将大【写真:町田利衣】

昨秋の右肘手術後初実戦、1回2安打無失点1奪三振、最速は141キロだった

 楽天の田中将大投手が24日、北谷で行われた中日とのオープン戦に先発し、1回2安打無失点1奪三振だった。昨年10月に受けた右肘関節鏡視下クリーニング術後初登板で復活への一歩を記したが、降板後は「まだまだこれから」を繰り返した。

 結果うんぬんではない。まずはこの沖縄キャンプでマウンドに上がり、無事に役目を果たしたことが全てだろう。11球で、最速は141キロ。「まだまだこれからです。とりあえず今日投げられたということが大きなステップだったと思います」と安堵した。

 35歳を迎えた昨年11月に、右肘の手術を行っていたことを発表。そこから慎重に段階を上げてきた。今江敏晃監督も「無事に終えられるかなという心配がかなり大きかった。内容もあると思うが投げ切れたというのが本当に大きな収穫だったのではないかと思います」と胸をなでおろした。

 田中将は2死二塁から中田翔内野手を打席に向かえると、マウンド上で笑みをこぼした。「出るかどうかも知らなかったですし、気のせいじゃないですか? 今日、もう自分のことだけだったので。『あー』とは思いましたけど」と話したが、長きにわたってしのぎを削る1学年後輩との対決は、今後も刺激的な時間となっていくだろう。

 開幕まであと1か月。やるべきことについて「まだまだたくさんありますね。球速もそうですし、コントロールもそうだし、イニングも投げていかないといけないし」と表情を引き締めた。昨季はキャリアワーストとなる防御率4.91を記録。今季は日米通算200勝まであと3勝に迫る。去り際に「『まだまだこれから』しか言っていないんじゃない」と笑ったが、言葉通り着実に一歩ずつ、進んでいくだけだ。

(町田利衣 / Rie Machida)

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