山本由伸との“出会い”で開花「痛くない」 入団1年目で岐路も…背中を押した言葉
広島・日高が“由伸フォーム”で目指す1軍「真っ直ぐをアピールしたい」
FA権を行使してオリックスに移籍した西川龍馬外野手の人的補償で、日高暖己(ひだか・あつみ)投手は広島に移籍した。投球フォームがドジャースの山本由伸投手に似ていることから「山本由伸2世」とも呼ばれる右腕。オリックス時代に背中を追った山本への思いも胸に、19歳は1軍昇格を目指し宮崎・日南キャンプでアピールを続けている。
山本との最初の“出会い”はYouTube。宮崎・富島高時代に右肘を痛めていた日高は、山本が投げる姿を動画で見て、見よう見まねで投げてみたところ肘の違和感が消え、球威や制球も向上した。「由伸さんの投げ方をしたら痛くならないし自分の中でしっくりきたので、それからずっとそのフォームで投げ続けています」。
高校2年までは投手と遊撃の二刀流。投手を本格的に始めたのは高校3年からだった。3年夏にはエースとして甲子園に出場。山本由伸似のフォームから繰り出す力強いストレートがスカウトの目に留まった。「真っ直ぐはずっと磨いている球種なので、カープでもアピールしていきたいと思います。常時150キロを出せるようにするのが目標です」と意欲を燃やす。
2022年ドラフト5位でオリックスへ。1年目の昨年は1軍登板機会がなく、山本と接する機会は多くはなかった。ただ、エースとしてチームを引っ張る右腕の存在の大きさは絶えず感じていた。「由伸さんは全てにおいてすごい投手。メジャーでどんな成績を残されるのか楽しみですし、これまで以上に(メジャーへの)興味も湧いてきています」と思いを明かす。
広島への移籍が決まった直後、山本に連絡した。かけられた言葉は「どこであっても野球をすることには変わらない。頑張れよ」。突然の移籍に困惑していた日高だったが、山本の言葉は、気持ちを切り替えて前を向くきっかけの1つになった。ユニホームが紺から赤に変わって迎えた2年目のシーズン、日高が目指すのはプロ初の1軍マウンド。19歳右腕は山本からの言葉を胸に秘め、新天地での飛躍を目指す。
(真田一平 / Ippei Sanada)