日本人に驚き「肌の色も出身地も関係なかった」 野球を続ける葛藤も…助っ人が見た震災
楽天の国際スカウトを務めるラズナー氏「肌の色も出身地も関係なかった」
2009~13年に楽天で活躍し、現在は球団の国際スカウトを務めるダレル・ラズナー氏が、2011年に発生した東日本大震災の経験を明かした。楽天の銀次アンバサダーが、米国を訪問してインタビュー。球団公式YouTubeで公開され、「悲惨な状況という言葉でも表しきれないほどの状況だった」と振り返った。
ヤンキース時代には松井秀喜や井川慶とともにプレーし、「彼らと日本の野球の話をしていく中で、日本でやってみたいという想いが膨らんでいった」というラズナー氏。2009年に念願が叶って楽天に入団すると、2013年には日本一にも貢献した。5年間に渡って在籍したが、やはり忘れられないのが震災だ。
悲惨な状況に心を痛めながらも「ただ正直に言うと日本人の規律の正しさや、心の優しさを肌で感じることができる経験でもあった」と本音を明かした。「誰でも出身が違う人でも、人々が1つになって協力する姿や愛がそこにはあった。大変な状況ではあったものの、日本人の心の強さ、魂のようなものを感じた。そんな経験ではあった。肌の色も出身地も関係なかった」と語っている。
「とんでもない状況の中、野球なんてやってる場合ではない」と葛藤もあった。しかし「そういう状況ではあったものの、自分たちにできることは野球しかなくて。日本に野球を通じて元気や希望を与えるために、あのシーズンみんなで戦ったことを覚えている」。そんな1年を戦った助っ人は今もファンから愛される。「相思相愛だね。同じ思いも自分の中にあるから」と笑顔を見せていた。
(Full-Count編集部)