岡田監督が絶賛…不振だったエースは「去年とは雲泥の差」 正月から決めていた“大役”
2年連続開幕投手に決まった青柳が4回1安打無失点の好投
開幕投手に決定している阪神・青柳晃洋投手が順調な仕上がりを見せた。8日のヤクルト戦(甲子園)に先発し、4回1安打無失点の好投。7日の球団激励会で2年連続の大役に指名した岡田彰布監督も「去年とは雲泥の差よ」と太鼓判を押した。
調整遅れの不安を払拭する快投だった。オープン戦は今季初登板。キャンプ中に右臀部の張りを訴えたこともあり、2月17日の楽天との練習試合から中19日でのマウンドだったが、安定感抜群だった。直球、スライダー、ツーシームをコーナーに集め、打者のタイミングを外すクイック投法も決まった。
8つがゴロアウト。“らしさ”全開の投球に「自分の中ではキャンプから順調に調整できている。まだ3週間あるので、自分の状態を上げていければ」と手応えを口にした。制球面で納得できない部分もあり反省点もあったというが「やりたいことができて、いい試合になった」と振り返った。
2年連続で開幕投手に決まったことについては「気持ちの面では開幕をやりたいと言っていましたし、狙う場所だった。選んでもらえて光栄に思いますし、本当に気が引き締まる。やってやろうという気持ち」と意気込んだ。昨年8勝に終わった悔しさを晴らすため、29日の巨人戦(東京ドーム)のマウンドに上がる。
岡田監督も評価「去年とは雲泥の差よ」
今季は球団史上初のリーグ連覇を狙う岡田監督も、今季にかける右腕の充実ぶりを感じ取っていた。開幕投手は「最初から決めとったよ。正月からよ」と、キャンプ前に決まっていたことを明かし「ずっといい。だから言うてるやん。去年とは雲泥の差よ」と、仕上がりを絶賛した。
昨季10勝を挙げ新人王、最優秀防御率、シーズンMVPに輝いた村上頌樹、チーム最多の146回2/3を投げ10勝をマークした伊藤将司ら有力候補がいる中で、昨季不振に終わった右腕をなぜ選んだのか。答えは単純明快だ。
「普通に考えたら青柳やろ? なんで? 他に誰がおる? そんなもん1年ぐらいパッと2桁勝っても。そんなんもう、簡単に開幕はいかれへんで」
百戦錬磨の名将は、積み上げた実績、昨年を屈辱を晴らそうと調整するエースの心意気を買った。改めて本人に伝えることもなく「何にもしてない。そんなんする必要ないやん別に」と、全幅の信頼を置く。巨人との伝統の一戦で幕を開ける2024年シーズン。“エース復権”が連覇の鍵を握る。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)