親元離れた3兄弟、帰省で“態度激変” 次男は「連れてって」…人を育む名将の教え

智弁和歌山高出身、現在は楽天でプレーする黒川史陽【写真:小池義弘】
智弁和歌山高出身、現在は楽天でプレーする黒川史陽【写真:小池義弘】

3人の息子を“甲子園球児”に育てた黒川洋行さん…三者三様の進路設計

 目標は同じでも、タイプが違えば進路も変わる。楽天・黒川史陽内野手の父・洋行さんは、息子3人の性格や野球部の方針を見極めて、それぞれ異なる名門校への進学をサポートした。Full-Countでは、「甲子園球児の育て方」をテーマに、甲子園へ導いた元監督、元球児、保護者にインタビュー。子ども3人を“甲子園球児”に導いた進路選択について聞いた。

 黒川さんは大阪・上宮の主将として選抜で優勝し、大学と社会人でも野球を続けた。現在は奈良で経営するバッティングセンターで小学生から大学生まで指導し、昨年4月からは地元の社会人チームSUNホールディングスで監督を務めている。

 3人の息子にも甲子園を経験してもらいたいと強く願い、進路選択に積極的に携わった。長男・大雅さんは宮崎・日南学園、次男・史陽さんは和歌山・智弁和歌山、三男・怜遠さんは石川・星稜と全員が野球強豪校へ進学。怜遠さんは新型コロナウイルス感染拡大で選抜が中止となり聖地には立てなかったが、大雅さんと史陽さんは甲子園でプレーした。

 黒川さんは息子たちの進路を決める際、高校に足を運んで練習や選手の動きをチェック。監督の考えや目指す野球に合うかを判断し、息子たちの性格や実力を考慮して、最も適している高校を一緒に選んだという。

「同じように育てたつもりが、3人とも全然タイプが違いました。小学生の時は全員キャプテンでしたが、長男は黙々と背中で引っ張るタイプ。次男は自分について来いというタイプ。三男は元気にみんなを盛り上げていくタイプでした。例えば、次男は打撃が好きだったので、当時智弁和歌山の監督だった高嶋(仁)さんの方針に合うと思いました」

3人の“甲子園球児”を育てた黒川洋行さん【写真:編集部】
3人の“甲子園球児”を育てた黒川洋行さん【写真:編集部】

「両親のいない環境で厳しさを学んでほしい」…人間的な成長に結びつく

 進路を選ぶ際は甲子園でプレーできるかを基準にし、親元を離れて生活する高校に絞った。「両親のいない環境で、厳しさを学んでほしい気持ちがありました。人間的に成長したので正解だったと思っています」と黒川さんは振り返る。

 年末年始などで帰省した際、息子たちは当たり前のように靴をそろえたり、洋服を畳んだりした。家族以外の人に対する受け答えも、中学生の頃とは見違えるようにしっかりしていた。「小・中学生の時は全く読書をしなかった史陽からは、書店に連れて行ってほしいと言われました。智弁和歌山で本を読む大切さを学んだそうです。人は変わるものだと感じました」。

 3人の息子たちは、黒川さんが高校生の頃に大事にしていた「夢を現実に」という言葉をグラブに刺繍していた。それぞれの息子に合う進路を一緒に考え、親子で甲子園という夢を現実にした黒川さん。4月1日から5夜連続で開催される「甲子園予備校」にも参加し、夢に向けた道筋の描き方を語る。

3人の“甲子園球児”を育てた黒川洋行さんも“参戦決定”!

 Full-Countと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では、4月1日(月)から5夜連続(午後8時から)で、オンラインイベント「甲子園予備校」を開催します。甲子園出場経験のある監督、選手と保護者がYouTubeライブに登場。指導方法や練習方法、日頃の生活習慣など、自身の経験を基に、夢や目標を叶えるための対策や準備についてヒントを授けます。参加費は無料。詳細は以下のページまで。

【甲子園予備校・詳細】

聖地の夢叶える“手段と心構え”を披露 元監督・球児・保護者集結、「甲子園予備校」開催

【参加はTURNING POINTの無料登録から】
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(間淳 / Jun Aida)

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