佐々木朗希の「気持ちは分かる」 元メジャーリーガーが“注文”「怪我しないで」
五十嵐亮太さんが語る佐々木朗希「今年彼を追う価値はある」
ヤクルトで守護神を務めメジャーも経験、ソフトバンクではセットアッパーとして活躍した五十嵐亮太さんはこの春、日米のキャンプ地を訪れ、取材を進めた。今季のパ・リーグを展望する上で、注目される1人が5年目を迎えたロッテ・佐々木朗希投手。五十嵐さんは「今季しっかり結果を残してもらいたい」と期待を寄せた。
――今年見逃せない選手を1人挙げるなら
それは佐々木朗希でしょう! 彼の投球は人を引きつける力があるので、次のオフにどういう選択をするにしても僕は注目するでしょう。今年に挑む意気込みも例年とは違ってきていると思うので、そういった中でどういう成績を残すのかは誰もが気になること。ファンは“ロッテ・佐々木朗希”をずっと見ていたいんでしょうけど、こればかりは球団と本人の中での決まり事なので、周りがあまり言えることではないですよね。
WBCで共に戦ったメンバーがアメリカで躍している現状を見て、はやる気持ちはわかるんですけど。まずは今季しっかり結果を残してもらいたいというのが僕の意見です。
――海外FA権の取得を待って五十嵐さんは移籍しましたが、ポスティングで行きたかった、もっと早いうちにいきたかったという思いはありますか?
僕はそんな力がなかったし、今みたいにみんながポスティングって言ってる時代ではなかったので。でも僕も日本でやってよかったなと思うし、早くに向こうの野球を知ることはいいけど、日本での練習とか培われたものは、結局海外でもしっかり生きてくるんです。
佐々木投手は現段階で完成度が高いので、日本にいるうちは去年と投球内容は変えなくていいのかなと思います。基本、ストレートとフォークの組み立てですけど、海外を意識しているのであれば、フォーク以外に何か1個、例えばカットボールとか球種を増やす可能性はあるんじゃないかな。まず今持っている変化球の質を上げていくことが大事になってくると思います。
あとは完全試合をするような投手ですから、コントロールがいい。ストライクゾーンで勝負できるのは彼の強み。今年は何よりも怪我をしないで年間を通してやるっていうことが彼の目標だと思います。それと、吉井監督は佐々木朗希の気持ちって、多分誰よりもわかると思うんですよ。
――五十嵐さんはホークス時代にコーチと選手の関係だった吉井監督の性格や指導面もよく知っている。
吉井さん自身も、きっと早く行けばよかったと思っていたと思うんですよ(1998年にメッツ入り)。なので、その辺がわかり合える監督っていうのはいいのかなと思います。ただ、「コーチと選手」と「監督と選手」の立場はまた違うから。一野球人としてなのか、監督としてなのか、によって思いは変わってきますよね。
――今年、佐々木の投球を見逃すと気軽に見ることが叶わないかもしれない。
そういう意味でも今年彼を追う価値はあります。既存ファンも、WBCの影響で初めて野球を見始めた方も、これから見てみようかなという方も、球場や中継で彼の雄姿にぜひ注目してください。