「一緒に風呂入ったな」を応援のきっかけに… サウナ施設が高校球児を招待する“思い”
甲子園の全出場校に招待状を送る温泉施設「少しでも力になることができれば」
高校野球を“支援”するサウナ施設がある。第96回選抜高校野球大会が18日に開幕し、球児たちが熱い戦いを繰り広げている。そんな選手たちのために、神戸市内のとある温浴施設が毎年招待を続けている。
これまでも甲子園出場校に招待状を送り、現在プロ野球やメジャーで活躍する選手たちも訪れてきたという。同施設の総支配人は「全出場校に招待のお手紙を送らせていただいています。その中で、今大会は2校からご利用の連絡をいただきました」と説明。日本航空石川は大会開幕前の3月12日に来店した。
同施設はこれまで春、夏ともに甲子園出場が決まった全ての高校に招待の手紙を送ってきた。「甲子園は高校生にとって最高の晴れ舞台。のびのびと最高のプレーをして欲しいので、少しでもその力になることができれば」ときっかけを明かす。
毎年のように訪れる高校球児たちから、逆に力をもらっているという。「礼儀正しくて、皆さん目を見て挨拶してくれます。後片付けまで自分たちでやってくれる学校も多く、指導が行き届いているんだなと思っています」と感心する。
能登半島地震ではボディケアセラピストを派遣…ボランティアも行う
2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震など災害が起きた際には支援活動を行ってきた。「阪神淡路大震災で被災することの苦労を身に染みて分かっているので、何かお役に立てれば」と奉仕の心を忘れない。能登半島地震の際にもボディケアセラピストを急遽派遣。無償で小学校などの施設をめぐり、100人以上の被災者に施術を行った。
今回招待した日本航空石川がある輪島市も、大きな被害を受けた。野球部は山梨県や徳島県に拠点を移しながら、活動を続けてきた。被災地だから特別に招いたわけではないとしながらも、招待の手紙が選手や指導者たちにとって、どれだけ“救い”になったかは想像に難くない。
この先も続くであろう高校球児への支援。支配人は「温泉やサウナで(選手と)一緒になった方々が、『あの子たちと一緒に風呂入ったな』と応援のきっかけになってくれれば嬉しいですね」と願いを語り、「悔いなく全力でプレーして欲しいですね」と出場校にエールを送った。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)