「何曲演奏するの?」大阪桐蔭に甲子園騒然 勝つたび増える曲…吹奏楽部も夢の“聖地”

スタンドへ挨拶する大阪桐蔭ナイン 【写真提供:産経新聞社】
スタンドへ挨拶する大阪桐蔭ナイン 【写真提供:産経新聞社】

1回戦を終えてからさらに“新曲”を追加…甲子園を盛り上げる吹奏楽部

 アルプスは、まるでコンサート会場だ。第96回選抜高校野球大会は27日、甲子園球場で2回戦が行われ、第3試合で大阪桐蔭が神村学園(鹿児島)に4-2で勝利した。甲子園常連の野球部とともに同校の名物となっているのが、吹奏楽部とチアたちの大応援団。22日に1回戦が終わってから、わずか5日で“新曲”も取り入れるなど、甲子園にかける熱量はすさまじい。

 昨年の全日本吹奏楽コンクールで金賞に輝くなど、吹奏楽部も名門で知られている。甲子園でも毎年トレンドの曲を取り入れることで注目を集めるが、22日の1回戦ではCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」や、SNS上でブレークしている「猫ミーム」の「チピチピチャパチャパ」こと「Dubidubidu」など、10曲の新曲をお披露目。ネット上では「何曲演奏するの?」「ブラバンも一級品」「レパートリーが相変わらず凄いな」と話題となっていた。

 1回戦で特に注目を集めたのが「Dubidubidu」で、反響を受けて2回戦では新たに「猫ミーム」で使われる「My Happy Song」を演奏した。部長の直川響太さん(3年)によると、新曲の譜面を渡されたのは2日前だという。「合奏も1回しか練習してないんです」と苦笑いするが、少ない練習で曲を仕上げられるのは、部員たちの猛練習と高い能力があるからだ。

 授業がない日の練習時間は、午前9時から午後7時の10時間。サックスを担当する直川さんは「ずっと吹いてます。疲れます」と苦笑いするが、「野球部は(午後)9時までやっていますから」とグラウンドでプレーするナインに尊敬の眼差しを向ける。

 新曲を含めると、今大会のレパートリーは驚異の31曲。吹奏楽部員たちも、1試合でも多く“聖地”で演奏したい。「甲子園で吹きたくて入る子も結構います。僕もここに入ろうと思ったひとつのきっかけは甲子園です」。野球部じゃなくても、甲子園は憧れの舞台だ。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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