吉田輝星「今までと違う」 新天地で感じる成長…6球に見えた“明るい未来”
オリ吉田輝星は1回を無失点…最速148キロで3者凡退に抑えた
■ソフトバンク 3ー1 オリックス(29日・京セラドーム)
気迫みなぎる6球に、新天地のファンも拍手喝采だった。オリックスの吉田輝星投手が29日、本拠地・京セラドームで行われたソフトバンクとの開幕戦の7回途中からマウンドに上がり、新たなスタートを切った。
1-3と2点ビハインドの7回1死一、二塁で、先発した宮城大弥投手からバトンを受け取った。スタジアムに「投手・吉田輝星」がコールされると、立ち上がるファンの姿もあった。今オフに日本ハムからトレードで移籍した高卒6年目、23歳。高ぶる鼓動を抑え、ハツラツとした姿を披露した。
牧原大を2球で二ゴロに打ち取ると、2死一、三塁から周東を4球で見逃し三振に仕留めた。渾身の直球で3つ目のアウトを奪うと、一塁ベンチ前で宮城とハイタッチを交わした。その表情は“先輩”そのものだった。
新しい色のユニホームで、目を輝かせた。「今は開幕1軍に残れてよかったという感触です。開幕までの目標は『開幕1軍』だったので、そこがクリアできたのは良いなと思っています。ただ、ここから戦いが始まるので、しっかり準備していきたいです。1番大切なのはここからの試合なので」。強く拳を握る理由がある。
中嶋監督「どんな場面でもいける投手」
「今年は今まで(の心境)と違います。シーズン中も現状維持ではなくて、パフォーマンスの部分も上げていけるようにしたい。投球スタイル、球種の割合も例年とは違う。(新しい投球フォームは)まだ練習中なので、良い時も悪い時も、もちろんあります。でも、キャンプ中よりは進歩を感じています。シーズン中も継続して練習に取り組んで、出力も安定すればいいなと思っています」
オープン戦は4試合に登板して、1勝0敗2セーブ、防御率は0.00の成績を残した。日本ハム時代の2022年には51試合に登板した実績もある。中嶋監督も「もう、ずっと悪くないんでね。どんな場面でもいける投手だと思います」と期待を込める。
吉田も手応えを感じており「変化球も自信が持ててきた。だから、大崩れはしなくなったと思います。最終的に最後まで(1軍に)居られるようにしたいですね」。不屈の魂で、マウンドに立ち続ける。