新庄監督も絶賛…「お手本のよう」なハム若手下位打線 逆転劇を呼んだ“17球&16球”
「今日勝ったらこれからグッと伸びていけるよという話はしていた」
■日本ハム 3ー2 ロッテ(31日・ZOZOマリン)
日本ハムは31日、ZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ戦に3-2で逆転勝ちし、カード勝ち越しを飾った。相手先発の佐々木朗希投手の前に5回までわずか1得点に封じられていたが、下位打線が見せた粘りが最後の最後に逆転劇を呼び、新庄剛志監督も若手たちを称えた。
球界を代表する右腕相手に、本塁が遠かった。4回まで無得点。5回無死一、三塁からスティーブンソンの二ゴロ併殺打の間に1点を奪うのがやっとだった。しかしこの回までで佐々木の球数は95球。早めにマウンドから降ろすことに成功した。
7番の田宮は、2打席で安打こそ出なかったが、追い込まれてもファウルで粘って計17球を投げさせていた。9番に抜擢され2安打の細川も計16球を投げさせた。新庄監督は「田宮君が粘ってくれて、その後の水野君にもこのお手本のように粘ってくれっていう指示は出していました」と明かした。
継投策となったロッテに対し、1点を追う9回1死、レイエスが益田から四球を選んで出塁。続く田宮が右中間への飛球を放つと、中堅手・和田と右翼手・山口が交錯して落球し(記録は三塁打)、同点に追いつく。続く水野の右前適時打が決勝点となった。
まだ3試合ながら、課題だった下位打線の打率は23歳の田宮が.500、23歳の水野が.455、21歳の細川が.667と素晴らしい数字が並ぶ。「無我夢中ですよ、ただそれだけ。レギュラーを獲りたいとかそういう気持ちは一切ないです、彼らには。1試合1試合、練習からしっかりやっているから、自分の持っている力をここで出せる。練習でやっていなかったらここで出せないから。その練習をしっかりしてくれていますよね」と若手の奮闘に目を細めた。
「佐々木君が先発で、今日勝ったらこれからグッと伸びていけるよという話はしていた」と指揮官。選手たちの成長を実感した1勝に、掴んだ手応えも大きかった。
(町田利衣 / Rie Machida)