最優秀中継ぎ右腕は開幕直前に放出 韓国&台湾に5人が移籍…日本を去った助っ人の去就
ワゲスパックはレイズのロースター入り、ペルドモはナショナルズから放出
2024シーズンも多くの新外国人選手がパ・リーグ各球団と契約を結んだ。一方で、27人の外国人選手(育成選手も含む)が日本を去ることになった。3月28日時点で、去就先が判明しているのは17人だ。
最も多いのはMLBのマイナーリーグで8人。メキシコリーグの4人が続く。マイナーリーグの球団に移籍した選手を見ると、ジェイコブ・ワゲスパック投手(前オリックス)やマイク・ブロッソー内野手(前ロッテ)らアメリカ出身の選手が当然ながら多い。アメリカ出身で、昨季日本で一定の結果を残しながら韓国リーグに移籍したデビッド・マキノン内野手(前西武)は珍しい部類だ。
ワゲスパックはオリックスに2年間在籍。先発と中継ぎの両方で起用され、2022年の日本シリーズでは胴上げ投手となった。2024年1月16日(日本時間、以下同)にレイズとマイナー契約した。3月10日のレッドソックス戦で3回を1失点に抑えるなどアピールし、メジャーの40人ロースター枠を勝ち取った。再びMLBでの登板となれば、2020年以来4年ぶりとなる。
しかし、メジャー昇格は簡単ではない。昨季最優秀中継ぎに輝いたルイス・ペルドモ投手(前ロッテ)はナショナルズとマイナー契約したが、オープン戦7登板で防御率7.71とふるわず。3月22日に放出が決定し、今後は他球団とのマイナー契約や、他国のリーグへの移籍などが考えられる。
フレディ・ガルビス内野手、ウイリアンス・アストゥディーヨ内野手はともにMLBからソフトバンクへ移籍も、日本で苦戦。2人ともメキシカンリーグで再起を図る。メキシコでは、春から秋にかけて行われるリーグと、ウインターリーグがあり、今回2人が契約したのは前者のリーグに参加している球団。例年、ウインターリーグにはNPB選手も参加している。
王柏融は台湾の台鋼で主将、デスパイネはキューバリーグで活躍中
韓国リーグと台湾リーグには5選手が移籍。なかでも王柏融外野手(前日本ハム)は、今季から台湾の1軍リーグに参入する「台鋼ホークス」で主将を務めることになった。
外国人選手登録ではなかったが、昨季限りで西武を退団した張奕投手も、台鋼に「テスト生」として加入。王柏融とチームメートとなる可能性もある。同じく西武を退団した呉念庭内野手も、7月の台湾リーグのドラフトでの指名が確実視されている。
アルフレド・デスパイネ外野手(前ソフトバンク)はNPB在籍時から、オフにはキューバ国内リーグで試合に出場している。そのリーグはこれまでウインターリーグとして開催されてきたが、昨季からは3月から7月に行われる日程に変更された。デスパイネは今季、アラサネス・デ・グランマに所属し、40試合で6本塁打を放つ活躍を見せている。
去就先は未定だが、ソフトバンクに所属したコートニー・ホーキンス外野手は昨季初開催となった中東と南アジアを拠点とするプロ野球リーグ「ベースボール・ユナイテッド」のオールスター戦に出場。記念すべきリーグ初安打をマークしている。
(「パ・リーグ インサイト」武澤潤)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)