ノーノー達成右腕はイチローの愛弟子の“おこぼれ” 野手失格、バイト掛け持ちの過去
アストロズのロネル・ブランコが今季初のノーヒッターを達成した
■アストロズ 10ー0 ブルージェイズ(日本時間1日・ヒューストン)
アストロズのロネル・ブランコ投手が1日(日本時間2日)、本拠地でのブルージェイズ戦でノーヒットノーランを達成した。メジャー全体では今季初、球団史上17度目の快挙となった。
ドミニカ共和国出身の30歳。2022年にメジャーデビューした遅咲きで、今季から先発ローテに抜擢されていた。昨季は17試合に登板して2勝1敗、防御率4.50の成績。“ほぼ無名”だった右腕に米メディアも注目している。
MLB公式サイトのテオ・デローサ記者は「ロネル・ブランコは何者? ノーノー・クラブに加わった最新のメンバー」のタイトルでブランコの存在を“追求”。「月曜日(の試合前)までロネル・ブランコの名前を聞いたことがなかったとしても、おそらく今(試合後)なら知っているだろう」と掲載した。
ブランコは2022年にアストロズでデビュー。マイナーリーグでは202試合に登板したが、先発は僅か34試合。メジャーでの初登板は2023年6月1日だった。同サイトには「常に投手だった訳ではない。アマチュア時代は、強肩の一塁、三塁、そして外野を守っていた。しかし、打力がなかったので、スカウトから注目されることはなかった。どうやら、正しい道を辿ったようだ」と野手だった“過去”を伝えた。
さらに「投手に転向したあと、注目を集めるために異例とも言えるスケジュールをこなした。午前中はマウンドに立ち、午後には母マリアさんと自身を養うために洗車をしてお金を稼いだ」と驚きの経歴も報じていた。
後にアストロズのスカウトとなったフランシス・モヒカ氏がブランコを発掘したという。「でも彼(ブランコ)を目当てに探していた訳ではない。大注目されていたフリオ・ロドリゲス(マリナーズ)をスカウトしに行ったからだ。ブランコはロドリゲスと同じトレーナーがついていた」。ラッキーな“縁”もあり、アストロズ入りを果たし、掴んだこの日の“栄光”となった。
ブランコはブルージェイズ戦で初回先頭のスプリンガーに四球を与えたものの、そこから26人連続アウト。9回2死から再びスプリンガーに四球を許したが、最後はゲレーロJr.を二ゴロに打ち取り、捕手と抱き合った。105球での快挙だった。
(Full-Count編集部)