仲間が見た山本由伸の素顔…「最終的には優しい」 忘れられない“男気ジャンケン”
オリックス・宇田川優希が“後悔”したジャンケンの行方
ドジャース・山本由伸投手と“戦った”ジャンケンが忘れられない。オリックス・宇田川優希投手は、昨年に開かれた「WBC慰労会」を思い出す。参加メンバーは「由伸、颯一郎(山崎)、僕、阪神の湯浅(京己)でした」と笑顔で明かす。
宇田川には食事前から“作戦”があった。「僕は勝手に由伸の奢りだと思って、美味しそうなお肉をバンバン頼んだんです(笑)」。店員も驚くほどのペースで注文し、お腹を満たした後、まさかの“決戦”が始まった。
「最後、考えてもなかった展開だったんですけど、由伸と颯一郎と僕の同級生で『男気ジャンケン』になったんです」
予想外の“円陣”で、ニコニコの戦いが始まった。「男気ジャンケン」は勝者が“敗者”となる不思議な展開。宇田川は「思ってもいない展開で……僕が勝ってしまって、僕の奢りでした」と優しく唇を噛んだ。
お会計をする際に伝票を見ると「うわ、高っ! ってなりましたね(笑)」と、ちょっぴり後悔したが、楽しい時間を過ごせたのでゴクリと飲み込んだ。隣にいた山崎颯からは「ほぼ、お前が頼んでいたから、当たり前やろ」とツッコミも受けた。
愛情のこもった「ストライクの入れ方、教えてあげようか?」
オリックス投手陣の1998年生まれ「小木田世代」は仲が良い。2022年は大逆転優勝が決まる前日、仙台で食事会を開いた。「ご飯を食べているのに、気になってしまって……。いきなり中継をつけて、西武とソフトバンクの試合を4人で見ていました」。試合結果が確定すると、翌日に向けて気合を注入した。
昨オフに海を渡った山本については「めちゃくちゃツンデレですね。だけど、最終的にはめちゃくちゃ優しいです」と宇田川は照れる。
「僕が先頭打者に四球を出して、少し落ち込んでいる翌日とかに『ストライクの入れ方、教えてあげようか?』っていきなり言ってきます。でも、それが嬉しい一言なんです。由伸は絶対に慰めてはこないですね(笑)。真剣に野球の話がしたくて本気で聞いても『お前とは野球の話はしたくない』というタイプなので」
画面の向こうの「18」を目で追った。遠く離れても、脳裏に残った言葉、そして笑顔がある。
(真柴健 / Ken Mashiba)