MLB選手会が異例の声明…ピッチクロックへ“猛反発” 故障者続出で「前例のない脅威」
走者がいる場合、2024年は昨年よりも2秒短い18秒以内に投球
メジャーリーグの選手会が6日(日本時間7日)、ピッチクロック制度に対する声明を発表。選手会のトニー・クラーク専務理事は「前例のない脅威」と怪我との関連性の高さを強調した。
投球間の時間制限「ピッチクロック」は2023年から導入され、投手は走者なしで15秒以内、走者がいる場合は20秒以内に投球動作に入る必要があると規定。打者は制限時間の残り8秒以内までに投球に備えなければならない。違反すると投手にはボール、打者にはストライクが宣告される。
同制度は同年の試合時間短縮にもつながり、メジャーリーグ機構(MLB)は2024年から、走者がいる場合は前年よりも2秒短い18秒以内に投球動作に入ることにするなどの新ルールを導入していた。
これに対し選手会が、クラーク専務理事の声明を発表。「選手たちが満場一致で反対し、かつ健康と安全に関して重大な懸念があるにも関わらず、コミッショナー事務局は去る12月ピッチクロックの時間を削減しました。この数十年間で最も重要なルール変更を科して1シーズンしか経っていないのに、です」と記されていた。
さらに「それ以来、リカバリー時間が減ったことが健康に与える影響についての我々の懸念は増す一方でした。これまでのところ、こうした深刻な変更の影響をリーグが認識、研究する気がないことは、我々のゲームとその最も貴重な資源である選手たちにとって、前例のない脅威です」と猛反発している。
ドジャース地元有力紙「ロサンゼルス・タイムズ」のビル・シャイキン記者は自身のX(旧ツイッター)で声明のリリースを紹介。「シェーン・ビーバーとスペンサー・ストライダーの怪我の最中、MLB選手会のトニー・クラーク専務理事はMLBのピッチクロック強制が投手の怪我増加の一因になるかもしれないことを選手会が懸念していると繰り返した」と投稿した。
ピッチクロックは昨年の大谷翔平投手、今季メジャーデビューを果たした山本由伸投手も“苦戦”した経緯がある。
(Full-Count編集部)