西武24歳がこぼした本音 「もういいかな…」場内騒然、ブーイングの応酬に“呆れ”
西武・古賀は止まないブーイングに異様な空気を感じていた
■ソフトバンク 2ー1 西武(12日・ベルーナドーム)
ベルーナドームは異様な空気に包まれていた。12日に行われた西武―ソフトバンクは、これまでの試合とはまるで違った雰囲気で行われた。スタメンマスクをかぶった西武・古賀悠斗捕手も「やりづらさはありました」と胸の内を明かした。
昨年オフに国内フリーエージェント(FA)権を行使してソフトバンクへ加入した山川穂高内野手が、移籍後初めてかつての本拠地でプレー。昨年、自身の不祥事や怪我の影響もあり、わずか17試合の出場で打率.254、0本塁打、5打点と不本意なシーズンを送ったまま、公の場で西武ファンに直接挨拶する機会もなくソフトバンクへ。複雑な感情を抱いていた西武ファンも多かったのか、この日は事あるごとに山川に容赦ないブーイングを浴びせた。
試合前のスタメン発表はもちろん、打席に立つごとにブーイング。特に山川の第1打席では、西武・先発の今井が投球動作に入り、球を投げるまでブーイングが響き渡っていた。古賀は「プレー中にブーイングされても、投手は……」と、普段とは違う環境で投げていた今井を思いやった。
移籍した選手に対し、古巣のファンがブーイングを浴びせるのはよくあることだが、通常は“ファーストコンタクト”を終えた時点で終わる。しかし、この日は山川への全4打席でブーイング。ストライクを取れば大歓声、今井が三振を奪うと「いいぞ、いいぞ、今井!」とこれみよがしに大きな声を上げていた。
試合後には両軍の応援団が“ブーイング合戦”を行った
西武ファンの感情も分かるが、応援している選手のプレーに影響を与えてしまうかのような状況だったのも事実だった。侍ジャパンでもプレーした古賀は「ファンは大事なんですけど、なんというんですかね。起こっていることは仕方ないので、その中でやるしかないです」。山川を巡る“因縁”に理解は示しつつも、困惑は隠せなかった。
試合は1-2で西武が逆転負けを喫した。試合が終わると外野席では“ブーイング合戦”が行われていた。「開幕戦より声が出ていたんじゃないかな。もういいかな、という感じです」。試合にも敗れ、西武の正捕手は後味の悪さを感じているようにも見えた。
(湯浅大 / Dai Yuasa)