大谷翔平奮闘も“なおド” 2165億円補強が噛み合わず…指揮官イライラ「もどかしい」
昨季まで鉄壁だった救援陣も今季は防御率4.38、リーグ9位と苦戦している
これでは“なおド”である。ドジャースは大谷翔平投手が5回に右前適時打を放つなど4打数1安打1打点1盗塁と牽引したものの、救援陣が打ち込まれて結果的には5点差をつけられて2連敗。昨オフに「14億ドル(約2165億円)」を費やした“銀河系軍団”がスタートダッシュでつまづいている。
常勝軍団らしからぬ試合運びだった。同点の7回1死、ベッツの送球エラーで出塁を許すと、続くリンドーアに勝ち越し2ランを被弾。8回にもケリーがマルテに2点打を浴びるなど7回以降の3イニングで5失点した。
昨季の救援防御率3.42はリーグ2位。2019年以降の5年間、救援防御率はリーグ2位以上と接戦に強いはずだったが、今季の救援防御率4.38はリーグ9位だ。守護神フィリップスは5セーブ、防御率1.17と安定しているものの、9回に辿り着くまでのケリー、ブレイシアら30代中盤のリリーフ陣が苦戦している。
ミスも目立つ。1点先制を許した直後の2回1死に正捕手スミスが一塁へ悪送球。2点目の失点につながった。4回1死二塁では二塁走者が三塁ストップしているのに関わらず、左翼テイラーが本塁スロー。その間に打者走者が悠々と二塁へ進塁する場面もあった。試合後のロバーツ監督はイラ立ちを隠そうとしなかった。
「確かにフラストレーション(もどかしさ)はある。なぜなら、我々は非常に才能豊かなチームだと私はわかっているからだ。完全な野球をする能力が我々にはある。負けは気持ちがいいものではないね」
4点を追う4回、大谷は四球と二盗でチャンスを広げ、テオスカー・ヘルナンデスの適時打で生還。5回2死一、二塁では得点圏では3月20日の開幕戦以来となるタイムリーを放ち、一時同点へチームを引っ張った。それでも勝てなかった。
3カード連続で3連戦のカード初戦を落とした。12勝10敗でナ・リーグ西地区首位を走るが、あくまで目標はワールドシリーズ制覇だ。ロバーツ監督は「正直言うと、全体的に前向きになれることが多くはなかった。ヨシノブが6回を投げ抜いてくれたのはチームに取って大きかった」とも語っていた。本来の姿を取り戻したいところだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)