直近5戦で打率.053…スタメン外の佐藤輝明「今のままでは上がらない」 専門家が“辛口指摘”
今季初めてスタメン外となった佐藤輝…8回に代打で登場も空振り三振
■阪神 4ー3 ヤクルト(28日・甲子園)
阪神は28日のヤクルト戦(甲子園)を4-3で勝利し、4カード連続勝ち越しを決めた。2試合連続2桁安打の12安打4得点と打線は復調の気配を見せるが、気になるのは今季初スタメンを外れた佐藤輝明内野手。打率1割に低迷する和製大砲を野球評論家の新井宏昌氏は「今のままではアベレージは上がらない」と、分析した。
浜風も味方した逆転勝利に甲子園は沸いた。1点を追う7回2死一、二塁。4番・大山が放った浅いフライは左翼・サンタナの前に落ちるラッキーな2点適時打となり逆転に成功。1点のリードをゲラ、岩崎のWストッパーが守り切り勝利をもぎ取った。
ただ、この日は佐藤輝が今季初めてのスタメン落ち。試合前のスタメン発表で「6番・三塁」に糸原がコールされると、どよめきと歓声が起こった。代役の糸原は先制適時打を含む3安打1打点で、岡田監督の起用に応える活躍を見せた。
一方、佐藤輝は8回に代打で登場し空振り三振に倒れた。直近5試合で19打数1安打の打率.053、12三振と苦しむ現状に新井氏は「スイング自体は悪くないが、佐藤に関しては完全にタイミングの取り方。カウントが不利になりボール球を振らされている」と、不振の原因を口にした。
ルーキーイヤーから3年連続20本塁打を放ち、昨季は自己最多の92打点をマークしたが、好不調の波が激しく2軍落ちも経験。新井氏はどんな状況でも自分のスイングをできることが「持ち味であり一番の武器」と評価しながらも、「投手の一番速いボールに遅れないタイミング作りが大事。ただ、そこは感性の部分もある。岡田監督が厳しい言葉で奮起を促しているが、その部分も分かっているのではないでしょうか」と口にする。
岡田監督「簡単ですよ。ボールを振らないで、ストライクを打ってくれたらいい」
佐藤輝の“代役”が見せた打撃にヒントは隠されているという。この日、糸原は2回の第1打席で追い込まれながらも、低めのフォークを見事に拾い中前適時打。第2、4打席の左前打も追い込まれてから、しぶとく食らいついたものだった。
「もちろんタイプは違うが、糸原は追い込まれてからは多少崩れた形でもコンタクトできる。打撃とは『こういうものだ』というのを見せてくれている。具体的に言うと膝を使った柔らかい打撃。本来なら不利なカウントで打撃を変え対応していくものだが、佐藤輝は良いも悪いも自分のスイングを崩さない。これでは安定した結果はついてこないのではないでしょうか」
チーム一時の不振を脱し、ここまで14勝9敗3分で首位をキープ。“1割台トリオ”と言われた中軸も森下、大山が底を脱し、残るは佐藤輝の復調を待つだけ。岡田監督も試合後のインタビューでは「ゲームで打つことだけ。簡単ですよ。ボールを振らないで、ストライクを打ってくれたらいい」と、注文をつけていた。
昨季は終盤に調子を取り戻し、今年はシーズン前に米国で学んだ打撃に手応えを感じていた。もどかしいシーズン序盤を過ごす、背番号「8」はスタメン復帰を果たし不振を脱出できるか、注目が集まる。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)