大谷翔平、在りし日の逸話「キョトンと」 日本人1号が明かす“伝説のサイン球”
日本人初のメジャーリーガー、マッシー村上氏が語る大谷との縁
■ドジャース 6ー4 ジャイアンツ(日本時間14日・サンフランシスコ)
熱気に包まれたジャイアンツの本拠地で活躍する日本人をうれしそうに見守った。日本人初のメジャーリーガー、マッシーこと村上雅則氏が13日(日本時間14日)、ジャイアンツ-ドジャース戦を観戦。試合前に大谷翔平投手と対面したことを明かし「私は嬉しかったけど、大谷くんは『あ、先輩が来たな』って感じでしたね」と笑顔を見せた。
村上氏は17日(同18日)の「ジャパニーズ・ヘリテージ・デー」で始球式を行うため、先だって観戦。自身が初めてメジャーでプレーした1964年から60年。この日、ドジャースの指名打者には大谷、マウンドには山本由伸投手が立った。「こんなになるとは思わなかったけどね」。“後輩”たちの活躍を喜ぶ。
大谷との縁は日本ハム時代からだった。村上氏が行っている難民支援活動のチャリティオークションのために、大谷からサインバットをもらったことがあったという。そのお礼として、史上最高の中堅手とも称される、通算3283安打の大打者ウィリー・メイズ氏のサインボールを当時の大谷にプレゼントした。
メイズ氏は村上氏がジャイアンツに在籍した時のチームメート。当時はキャプテンを務めていた。660本塁打、338盗塁など驚異的な成績を残し、ゴールドグラブも12回選出。伝説の外野手ともいわれるが「でも、大谷くんはキョトンとしていた感じで。ウィリー・メイズってよくわかってなかった」と笑う。月日が経ち、大谷は数々の歴史上の選手と名前を比較される存在になった。「今になって、自分が活躍し始めて、その価値をどんどんわかってくるんじゃないかな」。
今でも日本人選手の活躍は新聞でチェック。大谷はメイズ氏の誕生日である6日(同7日)に11号を放ったが、この日は奇しくも村上氏の80歳の誕生日でもあった。「新聞に俺の名前が入ってなかったんだよ。誕生日同じなのに」とジョークも飛ばす。
「去年のスタートより今年の方がずっといいよね。今年はバット1本でやっているんだろうけど、非常にいい感じでスタートしているんじゃないかな」。孫を見るような温かい視線を向けた。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)