岡田監督は“予感”…阪神25歳は「剥ける皮もない」 最大級の賛辞を送ったエース候補
才木浩人は8回1安打無失点の好投でリーグトップの7勝目をマーク
■阪神 3ー0 西武(9日・甲子園)
阪神は9日に行われた西武戦(甲子園)を3-0で勝利し、同一カード3連勝を飾った。先発の才木浩人投手が8回1安打無失点の快投を見せ、リーグトップの7勝目をマーク。ノーヒットノーランまであと5人という完璧な投球内容に、岡田彰布監督も「そらもう、剥ける皮もないやろ」と、最大級の賛辞を送った。
偉業達成を感じさせる投球だった。初回から3者凡退の好スタートを切ると、その後も危なげない投球でスコアボードにゼロを並べ、7回まで2四球の無安打投球。3点リードした8回は右足をつりながらもマウンドに立ち続けたが、1死から山野辺に右越え三塁打を許し大記録達成ならず。それでも8回無失点でチームの勝利に貢献した。
序盤の立ち上がりを見た指揮官は、完全試合の期待を抱くほどだったという。
「ひょっとしたら、俺の中では完全いくかな思たけど。(3回に)四球なったからな、これはノーヒットノーランやな言うて。安藤(投手コーチ)には言うたけどな。相手のバッターのスイングとか見てたらそらなぁ。これはいくんちゃうかなとは思ったよな」
これで4月14日の中日戦から無傷の7連勝。さらに5月19日のヤクルト戦で初回に2点を失ってから29回1/3を連続無失点で防御率1.19をマークし、指揮官は「いやいやもう、それはずっとよ」と称えた。一皮剥けたかとの問いには、「そらもう、剥ける皮もないやろ。去年も勝ってるピッチャーやのに、新しい新人のピッチャーちゃうんやから、お前」と、“岡田節”で褒めちぎった。
指揮官の言葉通り、背番号「35」は着実に成長している。2020年に右肘のトミー・ジョン手術(TJ手術)を受け、復帰した2022年からは2桁勝利こそないが、防御率1点台をキープ(22年4勝1敗・1.53、23年8勝5敗・1.82)。TJ手術から3年目の今シーズンは指揮官も最敬礼するほど“無双状態”が続いている。
この日、奪った9三振で62奪三振となり、巨人・戸郷翔征に並びリーグトップに浮上。防御率1.19も広島・大瀬良大地に次ぐリーグ2位だ。このままの調子を続ければ「投手3冠」も現実味を帯びてくる。百戦錬磨の岡田監督が認める“逸材”は、一歩ずつエースの階段を上っていく。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)