6月男・大谷翔平の“異変” 三振増&長打減…復調のカギは「速球への対応」か
6月に2度の月間MVPも…今季は8試合で打率.206、1本塁打、3打点
ドジャースの大谷翔平投手は11日(日本時間12日)から本拠地に戻り、レンジャーズ3連戦に臨む。全米注目のヤンキース3連戦では13打数2安打の打率.154、1打点と沈黙。エンゼルス時代の6年間で月間MVPに2度輝くなど、例年6月は結果を出してきたが……。MLB公式サイトのデータサイト「ベースボール・サバント」の数値を使って、復調の鍵を見ていきたい。
6月は8試合出場して34打数7安打の打率.206、1本塁打、3打点。らしくないと感じさせるのが長打不足だ。本塁打は5日(同6日)の敵地・パイレーツ戦で放った15号のみ。9日(同10日)の敵地・ヤンキース戦では6月初の二塁打を左翼線へ放ったが、完全に詰まらされた打球だった。
1日(同2日)の本拠地・ロッキーズ戦からの8試合で2長打。昨季は6月1日からの8試合で7長打(4二塁打、1三塁打、2本塁打)を記録したことを考えれば、本調子ではないように見える。三振数も6月の8試合で11三振。4月から三振率10%台を維持してきたが、ここにきて21.3%となった。ちなみに、大谷自身の平均三振率は25.8%、メジャー平均は22.2%となっている。
復活のカギとなるのが「速球への対応」か。速球系は主にフォーシーム、ツーシーム、カットボール、シンカーの4球種になるが、昨季の打率.380から打率.324に。9日(同10日)のヤンキース戦では甘く入ったフォーシームをファウルする場面が目立った。今季、オフスピード球(スプリット、チェンジアップなど)は昨季の打率.267から打率.318に。ブレーキング球(スライダー、カーブなど)も昨季の打率.233から打率.284と軒並み上昇させている。速球への打率3割超は十分すぎる好数値と言えるが、昨季のように上げていければ自然と打撃成績も上がってくる。
5月16日(同17日)の本拠地・レッズ戦で左太もも裏に牽制球が当たり、その後の打撃への影響もゼロではなかっただろう。それでも、すでに全力疾走ができており、全米中継された9日(同10日)の敵地・ヤンキース戦では試合中にダグアウト裏で黙々と打ち込む姿が映し出された。ヤンキースとの3連戦を勝ち越し、ロバーツ監督は「ここのファンは素晴らしい。環境も素晴らしい。最高の自分たちを引き出してくれる。明日はオフで本拠地に戻る。(チームは)次のシリーズにいい感覚を持っていける」とチームへの手応えを口にした。
9日(同10日)まで24本塁打で本塁打キングを独走するヤンキースのアーロン・ジャッジも4月までは打率.207、6本塁打と状態が上がっていなかったが、好調なチームに乗せられて5月は打率.361、14発と完全復活。大谷も何か1つのきっかけさえあれば……。調子を上げてきたチームの勢いを受け、再び上昇気流に乗ることを期待したい。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)