コーチが太鼓判の25歳「信頼得ている」 昨季1軍登板なしから4戦無失点…進化する直球
DeNA京山が2点リードの7回に登板、1イニングを無失点で3ホールド目
■DeNA 5ー1 西武(14日・ベルーナドーム)
DeNAの京山将弥投手が14日、ベルーナドームで行われた西武戦で今季3ホールド目を挙げた。7回から2番手で登板し、最速154キロの直球を軸に1回1安打無失点。昨季は1軍登板なしに終わった25歳の“復活”に、大原慎司チーフ投手コーチも「信頼は得ていっています」とうなずいた。
3-1の7回に登板した京山は、先頭の滝澤には全6球の直球勝負で遊ゴロ。代打・元山にも直球で押し、最後は落ちる球で投ゴロに打ち取った。児玉には中前打を許したが、奥村は三飛に封じ、15球で役目を終えた。14球が直球で、そのうち13球は150キロ超と威力抜群だった。
いわゆる“勝ちパターン”での登板は、今季初めてだった。西武打線が150キロ超の真っすぐに苦戦しているデータがあったため、球に力のある京山を起用。これがピタリとハマった。「あまり2点差の7回とかに行くことがなかったので結構緊張しましたが、やれることをやろうと思った。使ってもらって自信になっている部分はあります」と安堵した右腕に、大原コーチは「思い切って京山でいって、結果を出してくれた」と称えた。
2016年ドラフト4位で入団。高卒2年目の2018年に6勝を挙げて将来を渇望されたが、その後は白星が遠のいた。昨季は1軍登板なしに終わり「悔しさはオフからずっと持っていました。1軍で投げることを目標に頑張ってきたので、今こうやって投げられてうれしいです」。2日に今季2度目の昇格を果たすと、思いを晴らすかのように、ここまで4試合登板ながら防御率0.00、3ホールドと存在感を放つ。
「任されたイニングをゼロで抑えることしか考えていないです」
直球の平均球速は、昨年の147.1キロから、今季は150.7キロに進化した。中継ぎに専念し、1イニングで最大出力を出していることが最大の要因だが、京山は「指にかかったボールは例年に比べて行っていると思います」と手応えを口にする。
大原コーチも「元々150キロは出ていたし、出力はピカイチだった。今年はそれが戻ってきて、かつ、良くなった。フォームも無駄がそぎ落とされてシンプル。あとは頭の中も変わったんじゃないでしょうか」と進化を証言した。
「現段階ではまだそんなに登板数も重なっていないので。任されたイニングをゼロで抑えることしか考えていないです」と京山。7年目を迎え、危機感は強い。自信と信頼を積み重ねた末に、“復活のシーズン”と言える日が待っている。
(町田利衣 / Rie Machida)