熱中症対策で“試合打ち切り”も イニング間に暑さ計測…選手の体守る判断軸「31」
今夏の「全国スポ少交流大会」は「暑さ指数」を計測し試合実施を判断
夏の甲子園と同様に、小学生の大会でも一歩踏み込んだ“暑さ対策”が講じられる。公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)は28日、8月に鳥取で開催する学童野球の全国大会「第46回全国スポーツ少年団軟式野球交流大会」にて、朝夕の2部制での試合実施や、「暑さ指数」に応じて試合を打ち切るなどの暑熱対策を行うことを発表した。温暖化によるスポーツ活動中の熱中症事故が増えていることを受けた方策となる。
今大会では日中の気温が高い時間帯を避け、午前の部(午前8時30分~10時15分)と夕方の部(午後4時~5時45分)の2部制で実施。試合開始前と各イニング開始前に「暑さ指数」を測定し、「31度」以上となった場合は試合中止や打ち切りとする。
「暑さ指数」(WBGT、Wet-Bulb Globe Temperature)とは、熱中症予防を目的に1954年に米国で作られた指標で、気温、湿度、輻射熱(アスファルトの照り返しなどによる熱)の3項目から算出する。気温と同様に「度(℃)」で示すが、特に湿度による影響を考慮しており、気温が低くても湿度が高い場合は暑さ指数も高く、熱中症リスクも高まる。一般的に「28度」を超えると熱中症患者が急増するとされている。
今大会では試合開始5分前に各会場の本塁上で計測し、会場担当者、主任審判、各チームの代表指導者で数値を確認。「31度」を超えた場合は、開始予定時刻の60分後を最終として5分ごとに再測定を行い、下回った段階で試合を開始する。イニング間の計測も同様に本塁上で行い、「31度」を超えた場合は、その時点で打ち切りとする。
また、前日の段階で、暑さ指数が「35度」に達すると予想される「熱中症特別警戒アラート」が発表された場合は、翌日の全試合は中止とする。中止や同点での打ち切りの場合は、抽選によって勝敗を決定するという。
「全国スポーツ少年団軟式野球交流大会」は、「高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」と並ぶ全国の学童チームが目指す主要大会で、今年は8月1日~4日の日程で、鳥取県米子市のどらやきドラマチックパーク米子市民球場など4か所で開催。全国の各ブロックを勝ち上がった16チームが出場する。
(First-Pitch編集部)
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