野村大の踏み忘れを確信「特に起きやすい状況」 見逃さなかったハム一塁手の”機転”
新庄監督「一生懸命セカンドまで奪い取るあの気持ちも分かりますけどね」
■日本ハム 4ー1 西武(9日・ベルーナドーム)
日本ハムは9日、ベルーナドームで行われた西武戦に4-1で勝利し、連敗を4で止めた。5回には野村大が二塁打を放ったかに思われたが、日本ハム側のアピールプレーで一塁を踏んでいないとしてアウトに(記録は投ゴロ)。一塁手のアリエル・マルティネス捕手は確信を持っていた。
「毎回そうなんですけど、自分もしっかり塁を進んでいるか見ています。今回は踏んでいないと思ったし、塁審を見たら何度も確認している動作が見えた。さらにベンチにいる選手もアピールをしていたので、確信を持って山崎選手にアピールプレーをするように指示をしました」
基本、といえばそれまでだ。しかし、マルティネスにはもうひとつ、このときベースを踏んでいるかどうかを注意深く見ていた理由があった。
打者の野村大は、5日にソフトバンクからトレードで加入し、7日に1軍昇格したばかり。新天地初出場となった同日のロッテ戦は3打数無安打に終わっていた。ソフトバンクでも今季は2試合で2打数無安打。新天地で久々となる「H」のランプを灯したいのは当然のことだ。
これまでに何度もアピールプレーを成功させているというマルティネスは言う。「例えば、打者が久しぶりに1軍に上がって久しぶりに安打を打ったときとかは特にそういうことが起きやすい状況なので、特に塁を確認しています」。まさにこの日は、そんな環境が揃っていたといえる。
新庄監督は「移籍して初ヒットを一生懸命セカンドまで奪い取るというあの気持ちも分かりますけどね」と23歳の心情を慮った。「いい打球だったから見つつ、直前にベースを見たのでああいうミスが起きたのではないかと思います」とマルティネス。基本に忠実に、ピンチの目を紡いだ日本ハムに、最後に勝利の女神が微笑んだ。