日台チアの奇跡のコラボは「現地でも好評」 杉谷氏らも参戦…台湾イベントで得た収穫
PLMが台湾で行った「わくわく日本祭」で杉谷拳士氏が野球教室を開催
パシフィックリーグマーケティング(PLM)とNPBの日本ハム、台湾プロ野球(CPBL)の富邦ガーディアンズがコラボした「わくわく日本祭」が台湾で開催された。6月16日には元日本ハムの杉谷拳士氏が台湾の小学校向けに野球教室を開催。富邦が全面協力した。
同日、富邦の本拠地、新北市の新荘球場で「杉谷拳士野球教室」が開催された。1軍公式戦の試合当日に本拠地球場で、こうした野球教室が行われるのは異例といえる。野球教室は、杉谷氏に加え、富邦からも、稲田直人1軍内野統括コーチ、垣内哲也1軍打撃統括コーチの元パ・リーグ戦士や、陳柏穎1軍トレーニングコーチ、高國輝2軍打撃コーチもファームからかけつけ、豪華な顔ぶれとなった。
野球教室は、複数のグループで杉谷氏と稲田コーチが内野守備、垣内コーチ、高国輝コーチが打撃を指導する形で行われた。主に小学3年生から5年生の選手が参加。杉谷氏は、選手たちのレベルの高さに驚きつつ「足を動かしてね、止めたらダメだよ。グラブは自分の目で見える位置で構えるんだよ」と手本を示しながら、基本動作をアドバイス。ひとりひとりの選手に明るく声をかける“杉谷流”コミュニケーションで、次第に選手たちの表情はほぐれていった。
杉谷氏に直接質問する勇気のある選手はいなかったようだったが、練習が進むに従い「大谷翔平の元チームメートだったって本当? 凄いね。現役時代、どんな選手だったの?」と、筆者にこっそりたずねる選手もいた。また、指導者は得難い機会だとして、杉谷氏の指導風景を録画していた。富邦の陳昭如総経理は、杉谷氏の熱血指導に感謝していた。
杉谷氏「台湾と日本の野球、それぞれの魅力をミックスできるよう」
3日間の台湾滞在期間、杉谷氏はプロモーション活動、子どもたちへの野球教室のほか、台湾の各メディアの取材対応、王柏融との再会など、分刻みのスケジュールに追われていた。自身の人気をどう感じたのか。本人に伺った。
杉谷氏は「僕が人気かどうかはわからなかったですけれど」と笑いつつ、陽岱鋼や王柏融と来台した時と比べ「野球を通じて応援してくれている方は増えてきている気がする」と打ち明けた。さらに「パ・リーグの認知は台湾で広がっていると感じ、とても嬉しかった」と笑顔をみせた。
今後については「これ1回で終わらずに、これからも継続してほしい」と希望。そして、「台湾の野球と日本の野球にはそれぞれ違った魅力が備わっているので、それを合わせることができるよう、架け橋になれるよう、前進していきたい」と意気込んだ。
台湾では日本が海外旅行先の一番人気…日台チアの交流は「現地で好評」
台湾人にとって、一番人気の海外旅行先は日本だ。野球に関していえば、昨オフに王柏融、呉念庭、張奕が相次いで帰国。ややさみしくなったが、「台湾の至宝」と言われる19歳の孫易磊投手が育成として日本ハムに加入。ブレークが期待される有望株だ。そのためか、PLMブースで配布されていたエスコンフィールドの台湾華語版ガイドマップに、関心を示す人も多かった。
今回、企画立案、運営を担ったPLMメディアライツ事業部海外グループマネージャーの高木隆氏は「ガーディアンズさんと作り上げた一歩踏み込んだ企画により台湾のファンにパ・リーグを知る小さなきっかけを作れたことが収穫だった」と言及。中でも富邦のチアリーダー「Fubon Angels」のメンバーにパ・リーグ6球団のユニホームを着用しパフォーマンスは「普段とは異なる衣装で現地で好評を得た」と述べていた。
今後も野球を通じた日本と台湾の交流が進み、今回の野球教室のような意義ある活動や台湾プロ野球チームとのコラボイベントが開催されることを期待したい。
(「パ・リーグ インサイト」駒田英)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)