「野球は怖い」会心勝利も…指揮官実感 無安打ペースの敵エースが突然崩れた理由
渡辺監督代行も絶賛「非常にいい攻撃になった」
■西武 6ー0 オリックス(17日・ベルーナドーム)
西武は17日にベルーナドームで行われたオリックス戦に6-0で快勝した。5回1死までは相手のエース左腕、宮城大弥投手の前に無安打で沈黙していたが、古賀悠斗捕手のチーム初安打から好機を作ると、新人の奥村光一外野手が先制打。そこから打線も繋がり、結局、宮城に6安打を浴びせての5得点でKOした。渡辺久信監督代行も「野球は分からない」とうなり、宮城が崩れた一因として奥村の先制打を挙げた。
打線は5回まで6三振を奪われるなど無安打。宮城に気持ちよく投げさせてしまっていたが、5回1死から古賀の中前打、源田壮亮内野手の右翼線二塁打で二、三塁の好機を作ると打席には新人の奥村。2球で2ストライクに追い込まれたが、3球目のフォークをうまく拾って左前への先制打。プロ初打点となった。
NPB感染症特例でこの日に抹消となった栗山巧外野手の代替選手として急遽、1軍招集。6月8日に育成から支配下登録されたばかりのラッキーボーイの一打に打線は活気づいた。山村崇嘉内野手の中犠飛や野村大樹内野手の中越え三塁打などが飛び出し、宮城に6安打を浴びせて5得点。この回の途中でKOした。
「野球は分からない、怖いなと思ったのは、宮城君がノーヒットノーランペースで投げていたので、どう攻略していくかなという中で、古賀の1本のヒットから予想以上につながりがあって、非常にいい攻撃だったと思います。あそこで奥村が、初めてのバッターが結果を出してくれたのがみんなつながっていったと思います」
試合後の渡辺監督代行は奥村の先制打を鍵に挙げた。宮城と初対戦となったルーキーが変化球に食らいついて殊勲打。「あそこで打ち取られるとどうしても嫌な感じになるし、今まではそういうケースが多かった。チャンスは作れるけど最後の1本が出ないというケースが多かった。きょうは奥村がしっかり結果を出して、それにみんなが乗っていって、非常にいい攻撃になった」。奥村の一打が宮城攻略へ繋がったと分析した。
「みんなもそう思ったでしょ。野球は分からない。あそこから一気にああいう形になるっていうね。流れというか……」。渡辺監督代行もニンマリの気持ちいい勝利。「奥村は好守もしていましたし、本当に今日はヒーローだと思いますね」。最後まで24歳のルーキーを讃えていた。
(湯浅大 / Dai Yuasa)