残された荷物…試合後も綺麗なユニ「知らなかったんだろうね」 突然だった“事実上の戦力外”
パクストンのロッカーに残されていた洗濯済みのユニホーム
ロッカーにかけられていたユニホームは試合後も綺麗な状態のままだった。ドジャースは22日(日本時間23日)、ジェームズ・パクストン投手をメジャー40人枠から外す措置(DFA)をとった。前日21日(同22日)の本拠地・レッドソックス戦で5回3失点で8勝目を挙げていただけに、驚きのニュースだった。
試合前のクラブハウス。パクストンのロッカーには洗濯済みのユニホームがかけられており、スパイクも前日の状態のままだった。クラブハウスのスタッフは「ユニホームをロッカーにかけた時に(DFAを)知らなかったんだろうね」と少し寂しげに一言。突然の通告だったことは乱雑に置かれた荷物で分かった。
代わってメジャー契約を結び、この日のジャイアンツ戦に先発したリバー・ライアン投手は初昇格だった。ライアンのロッカーはパクストンの2つ隣。新品のスパイクを箱から取り出し、球団のSNS班のカメラの前でメジャー昇格を噛み締めた。笑顔あふれる25歳。“主”がいなくなった背番号「65」のロッカーとは対照的だった。
チームはクレイトン・カーショー投手が24日(同25日)に60日間の負傷者リスト(IL)から復帰予定。トレード期限の30日(同31日)を1週間前に見据え、ローテーション再編を検討した形だ。パクストンはチーム2位の8勝をマークしながらも、防御率は4.54。中でも7月は4登板でクオリティスタート(QS)はゼロで防御率8.66と低迷していた。
デーブ・ロバーツ監督は試合前、パクストンに通告をしたのは今朝と明かした。ブランドン・ゴームズGMが電話で伝え、その後、ロバーツ監督も続いたという。指揮官も「タフだった」と厳しい表情。21日(同22日)に登板後には大谷翔平投手の30号を見て「彼はスーパーヒューマンだね」と表情を崩していたが、一夜明けて厳しい決断が下された。
試合後、クラブハウスのパクストンのロッカーは試合前と変わらない状態だった。試合中のチームメートを配慮してか、荷物の整理はされていなかった。DFAとなった選手は今後7日以内にトレードされるかウエーバー公示される。売り手市場の今季のMLBでローテーションを守れる左腕を欲しい球団はあるだろう。洗濯された背番号「65」のユニホームが、今年再び使われることはなさそうだ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)