NPB復帰ならず…防御率0.00の元DeNA左腕 34歳の無念「悔しさしか残らない」

くふうハヤテ・田中健二朗【写真:編集部】
くふうハヤテ・田中健二朗【写真:編集部】

元DeNAの田中健二朗は15試合無失点も6月以降は登板していなかった

 NPB12球団は支配下選手登録できる期限を7月31日に迎え、補強期間が終了した。元DeNAの田中健二朗投手はNPB復帰を目指し、2軍のウエスタン・リーグに参入したくふうハヤテでプレー。15試合連続無失点の防御率0.00と好成績を残したものの、コンディションが上がらずに6月以降は登板機会はなし。今回のタイミングでのオファーは届かず「投げられていない形で今日を迎えて悔しく思います」と心境を語った。

「悔しさしか残らずに終わっているので。今は、こうですとは言えないですけど、色々な選択肢を一つ一つ噛み砕いて、整理してやっていきたいと思います。貪欲に勝負している若い選手の姿には僕自身も勇気をもらっています」

 2007年にドラフト1位指名で常葉菊川高から横浜(現DeNA)に入団。2016年には61試合に登板し、球団初のクライマックスシリーズ出場に大きく貢献した。プロ16年で通算274試合に登板、14勝13敗1セーブ、64ホールドをマークした。

 昨年オフに戦力外通告を受けるも、NPB復帰を目指しくふうハヤテに入団。34歳は経験を生かし、開幕から15試合連続無失点の防御率0.00。さすがの成績を残し、アピールを続けていた。

「確かに0.00ですけど、ラッキーな部分もあってのゼロでした。全てが完璧に抑えたわけではないので、そこに執着はなかったですね。とはいえプロの世界では結果を求められるので、良かったとは思います」

モチベーションが心配も…「チームのために全力で投げたい」

 しかし、6月に入るとコンディションがなかなか上がらず、5月30日のDeNA戦を最後に登板していない。試合で2か月間投げていない投手が呼ばれるような世界ではないことは十分にわかっている。結局、オファーはなく7月31日を迎えた。

 目標へ“ひと区切り”がついてしまった。心配されるのが今後へのモチベーションだ。「投げられていない形で今日を迎えて悔しく思います。でも、くふうハヤテには1年契約で獲っていただいたので、まずは早く自分の状態を上げて試合に復帰し、チームのために全力で投げたいです。そこは全うしなくてはいけない義務がある」。

 来年以降のことはまだ考えていない。ただ、一つだけ決めていることは、くふうハヤテの一員として、早く戦列復帰し、チームのために全力で腕を振ることだ。若手も田中の背中を見ているはずだ。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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