二刀流を断念したド軍右腕 球団が賭けた可能性…大谷翔平と同僚も「困らせたくない」

アストロズ戦に登板したドジャースのリバー・ライアン【写真:Getty Images】
アストロズ戦に登板したドジャースのリバー・ライアン【写真:Getty Images】

25歳の右腕ライアンは大学時代二刀流でプレー…プロ入り後は内野手

 ドジャースのリバー・ライアン投手は7月28日(日本時間7月29日)、敵地・アストロズ戦でメジャー2度目の先発マウンドに上がり、5回2/3を投げ2安打1失点8奪三振でメジャー初勝利を手にした。大学時代は二刀流として活躍した25歳は、内野手でプロ入りし、ドジャース移籍の際に投手になった。打撃を封印しチームのために投げ込む右腕が、自身の立ち位置についての思いを明かした。

 ライアンはノースカリフォルニア大学ペンブロックでは二刀流としてプレー。投手の他に遊撃や二塁を守った。2021年ドラフト11巡目(全体340位)でパドレスと契約した時は内野手だった。マイナーでは遊撃や指名打者、一塁でプレーし、ルーキーリーグ12試合で打率.308、1本塁打、2打点の成績だった。

 その後トレードで移籍したドジャースでは投手として登録。「僕の意思ではなく、チームが決めたこと」と明かす。「うーん、まあメジャーでポジションをこなすのはいつも夢だったよ」としつつも「しかし残念ながら、バットは離れた状態。今はただ投手としてここにいる。しかしながら、メジャーで投手としてプレーしている以上、不満はないんだ、フフフ」と考えを語った。

 チームメートには“リアル二刀流”の先駆者、大谷翔平投手が今季から加入。「最高。攻撃も守備もできる選手がメジャーリーグの最高の選手の1人だなんて、見ていてとても楽しい」と笑顔を見せる。一方で、「でも二刀流に関しては、ショウヘイを困らせたくないんだ。今は打撃をする必要がないから、投球のことだけを考えているよ」と自らの投球に専念している。

 大谷がメジャーデビューした翌年の2019年から、20イニング以上を投げ、20試合に野手として先発出場すれば二刀流選手として登録することが可能となった。ドラフトでも二刀流選手は増えている一方で、「選手の負担もとてつもなく大きい。ショウヘイだって先発したらできる限り長く投げて、その後は打たないといけない。体にはすごく負担がかかる」と理解している。

 チームは先発投手陣の離脱者が続出。当時チーム2位の8勝を挙げていたジェームズ・パクストン投手(現レッドソックス)をDFA(事実上の戦力外)にしてメジャーに上がってきた。「ワールドシリーズで優勝したい。チームが優勝できるよう、何でもしたい」。25歳の右腕は打者としての可能性を今は封印して、苦しむドジャースの一員として腕を振る。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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