菅野から「怒られました」 10勝目アシストの裏で…“スガコバ”のホントの関係性
菅野が2年ぶり10勝目、小林は登板全試合でマスク「めちゃくちゃ嬉しいです」
■巨人 4ー1 ヤクルト(4日・東京ドーム)
巨人・菅野智之の2年ぶり10勝目から1時間後。相棒の小林誠司が東京ドームの通路へ現れた。菅野の質問をぶつけると、とびっきりの笑顔を浮かべた。
「めちゃくちゃ嬉しいです。ボールは若々しいです。戸郷とか(山崎)伊織とか、これからエースになって欲しいですけど、僕はまだまだ智之も負けていないと思います。それに若手の高い壁であって欲しいです」
今季は菅野の登板全試合でバッテリーを組み、負け数もたった2敗だ。この日も7回5安打1失点。スイスイと89球を投げているように見えるが、決して“順風満帆”というわけではなかったという。「今日は怒られました」。小林は苦笑いで明かした。
小林が怒られたというのは、1点差に迫られた5回2死一、二塁。投手・石川の右前打でピンチを招き、次打者は1番・長岡。マスクを被る小林は“間”を取ろうとマウンドへ向かった時だった。どんな内容だったのか。
「考え方とか配球。こうしていこう、ああしていこうと。漠然とは言ってないですよ。『大体こんな感じやろ』というような感じではないです。ハッキリこうしていこう、ああしていこうと」
相棒・小林は菅野10勝の理由も明かす「色々と試せるんです」
この試合、対・長岡は初回、3回と直球攻めでいずれも内野ゴロに。ミーティング後の5回のピンチでは配球を一変させた。外角に4球連続でフォークを集めて遊ゴロに。試合の流れを渡さなかった。
同じ1989年生まれで、相性抜群と言われる「スガコババッテリー」。実際はどうなのか。小林は「しょっちゅう怒られています。僕は『すみません』って言ってます」と苦笑いを浮かべるが、菅野は杉内投手コーチが「ブルペンでも自分が納得いく球が投げられるまで投げる」と言う求道者タイプだ。右腕の性格を熟知している。
「今日は怒られました。でも、そういうのはお互い分かり合っている仲なので。僕も言う時は言います。やっぱり僕も智之も勝ちたいので」
「(菅野は)コンディショニングが今年すごくいい状態を維持していると思う。そこが一番かな。コンディショニングがいいから、色々と試せるんです。あまり良くない時でも体の状態がいいから、今日はこういうふうに投げてみようとか出来るんです」
名バッテリーのワケを少しだけ分かった気がした。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)