過酷な米時代「もう野球はいいかな」 助っ人が激白…不遇のマイナー生活「全く稼げない」
DeNA・フォードが語る現役生活を続ける理由
DeNAのマイク・フォード外野手が、自身が経験したマイナー時代の過酷さと現役生活を続ける理由などについて語っている。米全国紙「USAトゥデイ」のネットワークの一部で、ニュージャージー州中部地域のニュースに特化したメディア「My Central Jersey」にて「プリンストンからヤンキースそして日本へ、マイク・フォードの野球遍歴の内側」として紹介されている。
フォードは7月4日に32歳になった。「自分はもう野球は(十分プレーしたので)いいかなと思う日もある。だけど、続けないと自分が損をすると思うんだ。だって、こうした経験ができるのは選ばれたごく一部の人間で、自分はこうした思い出ができて本当に恵まれているから」。2019年にヤンキースでメジャーデビューを果たした助っ人は、丁寧に言葉を前に出した。
「願わくば……」。彼は笑いながら言った。「まだ(現役として)終わりじゃないといいね。どうなるかは、そのうち分かるよ」。今年7月5日にDeNAと契約。「新しい文化を見ることにワクワクしている。もう自分が21歳ではないことは分かっているし、いつか終わりが来ることも分かっている」。ここまで6試合の出場にとどまり、打率.200、1本塁打、2打点の成績となっている。
フォードのキャリアは、珍しいとも言える。プリンストン大学3年生の頃「アイビー(リーグ)・ピッチャー・オブ・ザ・イヤー」と「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」に選出されたが中退。ただ、その後2度のオフシーズン中に大学に復学して歴史学の学位を取得した。来日してからは「これからはGoogle翻訳が親友になると思う」と笑う。
マイナー時代の経験は「単調で辛い仕事でもあった」
DeNAでは通訳もいる。プライベートではヤンキース傘下でプレーしていた米国からの仲間で、約5年間DeNAでプレーしているタイラー・オースティン内野手に助けてもらえる。2019年から2021年に過ごしたヤンキースでは「初めてのことがたくさんあった」と話す。
「憧れの選手たちとプレーすることができて、ブレット・ガードナー、アーロン・ジャッジ、CC・サバシア、ネスター(コルテス)と親友になった。マイナーリーグでの経験は、当時一緒にいたグループによって違ったね。それぞれの場所で、色々違った」
メジャーデビュー前の懐かしい思い出にも浸った。「一番長かった遠征のひとつはチャールストンからニュージャージーへのものだったと思う」と、休憩を含めて11時間の大移動を思い出した。「でも、外から見たら本当に悲惨な長い遠征に見えるものを、永遠に忘れない良い経験に変えることができた。僕はずっと、多くの素晴らしい人たち、素晴らしいチームメートに恵まれた。当然、今ではあの頃の遠征には好んでは行かない。でも、振り返ってみると、あの頃のすべての思い出がとても好きなんだ。生涯の友達もできた」と胸を張る。
ただ、マイナー時代の経験は「単調で辛い仕事でもあった」と付け加えた。「全く稼げない。みんなそうだとは思っていないが、事実そうなんだ。タンパでのチームに所属していたときは、ベッドルームが2つの集合住宅に男5人が住んでいた。そのうえ犬3匹ぐらいも。当然、全員のガールフレンド、妻……。誰もかれもが出入りするときがあった。だから、チームメートたちと本当に親しくなければやっていけない。一番恋しいのは、きっとその部分だね」。視線の先には、故郷の思い出があった。
(Full-Count編集部)