年俸交渉の“勝利”が「空虚なものに」 半年で4球団移籍…不遇の31歳に溢れる同情

ヤンキース時代のJD・デービス【写真:Getty Images】
ヤンキース時代のJD・デービス【写真:Getty Images】

ヘイマン氏が報道、デービスはオリオールズとマイナー契約に合意

 オリオールズがJD・デービス内野手とマイナー契約を結ぶと、7日(日本時間8日)に「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者がX(旧ツイッター)で伝えた。デービスは先週ヤンキースからリリースされたばかり。今季は何と4球団を行き来しており、ファンからは「大いに残念なシーズンだ」と同情の声が寄せられている。

 デービスは昨季途中にジャイアンツへトレード移籍し、49試合で打率.263、8本塁打、OPS.857を記録。オフは年俸690万ドル(10億1100万円)を要求したが、球団の650万ドル(約9億5000万円)と隔たりがあり、最終的には年俸調停まで進み、デービスの主張が通った。しかし、直後に“悲劇”が待っていた。

 ジャイアンツは大型三塁手のマット・チャップマンと契約。定位置を失ったデービスは直後にリリースされ、結果としてジャイアンツからの支払いは解雇手当の約110万ドル(約1億6000万円)のみになったという。その後、開幕前にアスレチックスと契約を結んだが、右内転筋の負傷で離脱するなど結果を残せず、6月17日(同18日)にメジャー出場前提の40人枠を外れる(DFA)となり、その後ヤンキースへトレード移籍した。

 しかし、東の名門ではロースターにはいたものの7試合の出場にとどまり、打率.105、0本塁打、OPS.385の惨状。8月2日(同3日)にリリースされ、実に“今季”4球団目となるオリオールズに7日(同8日)、移籍することになった。米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」によると、契約金の残りはヤンキースが支払い、オリオールズの支払額はロースター入りした場合に、最低保証年俸を日割りした分だけだという。

 同メディアは「彼にとっては間違いなく厳しい年だったが、オリオールズにとっては、マイナー契約であるので、賢明な賭けと言えるだろう」と言及。チームは故障者が続出しており、デービスが調子を取り戻せば「低コストでオリオールズの問題を解決するかもしれない」とした。今回の契約を受け、ファンからは「彼にとって大いに残念なシーズンだ」「チャップマンの契約によってデービスは正三塁手から転げ落ちた」「年俸調停に勝利したが、空虚なものとなってしまった」などと、不運な一年を送る31歳を同情していた。

(Full-Count編集部)

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