DeNA新人初快挙のドラ5は「嗅覚が鋭い」 三浦監督がうなった“投手の資質”

ヤクルト戦に先発したDeNA・石田裕太郎【写真提供:産経新聞社】
ヤクルト戦に先発したDeNA・石田裕太郎【写真提供:産経新聞社】

石田裕は7回4安打2失点、全て先発でデビューから4連勝は球団新人初

■DeNA 5ー2 ヤクルト(9日・横浜)

 DeNAのドラフト5位・石田裕太郎投手が9日、横浜スタジアムで行われたヤクルト戦に先発し、7回4安打2失点で4勝目を挙げた。球団新人初となる、全て先発でデビューから4連勝という快挙。三浦大輔監督は「投手としての嗅覚、本能が鋭い」と称えた。

 直球の平均球速は145.5キロ。決して剛速球があるわけではない。でも、負けない。抜群の制球力を持つ石田裕だが、初回は3安打で先制点を失い、3回にも村上の左犠飛で2点のリードを許した。しかし直後に梶原の2ランで同点としてもらうと、4〜7回は3者凡退でリズムを作った。

「先頭を切るというのをまず意識しているので、3人で切れてその後逆転してもらえたのでよかったです」と控えめに喜んだ右腕だが、逆転を呼び込んだのにはしっかりとした“理由”がある。指揮官が説明した。

「立ち上がりに失点はしましたけど、その後ですよね。しっかり後続を打ち取っていますし、ここはストライクを取っていい、ここは簡単に取ってはいけないとマウンド上で感じるものが鋭い。ピッチングがうまいってそういうことかなと思って見ていました」

 ドラフトは下位指名、初登板は6月9日だったが、同16日の西武戦では9回95球で“マダックス”を達成。7月2日に3勝目を挙げて以降、3試合勝ち星には恵まれていなかったが、大崩れすることなく試合をつくってきた。その安定感は、防御率2.31という数字が物語る。

「チームが勝てばそれでいいと思っているので、今日もチームが勝てるピッチングをしようと思って投げました」とお立ち台で満面の笑みを浮かべた石田裕。約1か月ぶりの勝利の味を噛みしめた。

(町田利衣 / Rie Machida)

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