大谷翔平、本塁打でも抜け出せぬ不振 指揮官に休養の選択なし…求められる改善
38号ソロも8月は打率.172「ちょっとのズレでコンタクトできてない」
【MLB】カージナルス 5ー2 ドジャース(日本時間18日・セントルイス)
日本人初の快挙を成し遂げても本人の表情は晴れなかった。ドジャース・大谷翔平投手は17日(日本時間18日)、敵地・カージナルス戦で38号ソロを放った。カージナルス戦初アーチで日本人初となる全30球団から本塁打を達成。一方で8月は月間打率.172。「構えている段階で、いい未来があまり見えていない感じではある」と手応えを掴めていない。
5回2死の第3打席では4戦ぶり38号ソロを放ち、今季7度目のマルチ盗塁を決めたが、3回の第2打席は振り逃げ、8回1死の第4打席は左飛に倒れた。マルチ安打が11試合出ておらず、打率は.291に急降下。8月を迎えた時点でリーグ首位打者に立っていたが、今ではチーム内でもフレディ・フリーマン内野手に抜かれた。
3日(同4日)、敵地・アスレチックス戦で33号を放った時に語っていたのは感覚のズレ。カージナルス戦終了後も「打ったと思っているボールがちょっとのズレでコンタクトできてない」と漏らす。実際に開幕から7月までのハードヒット率は60.4%だったのに対し、8月は45.8%と捉えきれていない。
チームはムーキー・ベッツ内野手が戦線復帰したが、フリーマンが守備中の負傷で途中交代。X線検査で骨に異常はなかったが、怪我人が続出している。時差のある遠征を含む13連戦の真っ最中だが、デーブ・ロバーツ監督も大谷の休養については「ノー」と試合に出させ続けることを明言している。
この日、1本塁打2盗塁で40-40は目前、史上初の45-45も射程圏内になった。一方で、地区2位のパドレスが猛追し、2ゲーム差に。「もちろん増えていけばいいと思いますけど、正直今、首位にいますけど僅差ではあるので、いい段階で勝ちを積み上げて」と勝つことを最優先する。
カージナルス3連戦は選手が特別なデザインの用具を使用して臨む「プレイヤーズ・ウィークエンド」。大谷は漢字で「改善」と書かれたバットで試合に臨んだ。プレーオフを勝ち進むには大谷の復調は不可欠。試合に出ながら打棒を改善させていくしかない。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)