ド軍加入の予感的中も…1か月で“戦力外” 無かった居場所、29歳右腕との最後の会話
ドジャースから戦力外になったハニーウェルが語っていた役割
前日に話を聞いたばかりだった。ドジャースのブレント・ハニーウェル投手は18日(日本時間19日)、メジャー出場前提となる40人枠から外れる(DFA)の措置を受けた。ロングリリーフなどもこなして、10試合に登板し、防御率2.21。好投を続けていたが、ロースターの枠を空けるための苦渋の決断だった。
17日(同18日)の敵地・カージナルス戦の試合前。クラブハウスでは、山本由伸投手とジョー・ケリー投手らと共にボードゲームを楽しんでいた。リラックスした様子で記者の質問に答えてくれたが、それがDFAになる最後の会話。翌日にロッカーはなくなっていた。
29歳のハニーウェルはレイズ時代の2018年にはMLB公式サイトのプロスペクトランキングで球団1位に輝く存在だった。しかし、同年にトミー・ジョン手術を行い、2021年に復帰したが防御率8.31。昨年も2球団に所属して40試合に投げたが、防御率4.82と精彩を欠いた。
今季もマイナー契約でパイレーツに加入したが、わずか2試合でDFAに。そんな右腕を拾ったのが、ドジャースだった。「僕を拾ってくれるんじゃないかという、変な予感はあった」。当時のドジャースは中継ぎ投手に故障者が続出。7月にウェーバーで獲得した。
移籍後はスクリューボールを駆使し、6試合連続無失点と好投。一方で、ロングリリーフや難しい局面での登板もあり、直近4試合は3被弾6失点だった。それでも「チームが必要としていることを受け入れている。試合に勝つために役立つこと、複数イニングをこなすことやその逆でも。その日はまったく登板しないことも含めてね」と便利屋に徹した。
8月に入り、ブレイク・トライネン、ライアン・ブレイシア両投手ら救援陣が続々復帰。怪我人が続出し、地区2位に迫られる後半戦を支えてたが、メジャーの試合に出場できるロースターの枠は決まっている。デーブ・ロバーツ監督も「タフな決断だった」とハニーウェルをDFAにした。
DFAのなる前日、ハニーウェルは「(DFAの後は)自分でどうこうできるものじゃない。どのチームに行きたいか、行きたくないかに関係なく、試合に出ていいピッチングをしなければならない」と話していた。酷な決断も受け入れるしかない。新天地を目指し、自らの仕事に徹している。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)