ベッツ外野復帰で出場機会激減…指揮官の苦悩「分からない」 迫られる”枠問題”

決勝3ランを放ったドジャースのジェイソン・ヘイワード【写真:ロイター】
決勝3ランを放ったドジャースのジェイソン・ヘイワード【写真:ロイター】

ヘイワードが劇的3ランも…ベッツ復帰後は出場機会激減

【MLB】ドジャース 6ー3 マリナーズ(日本時間21日・ロサンゼルス)

 好調が故に頭を悩ませる。ドジャースは20日(日本時間21日)、本拠地・マリナーズ戦に逆転勝利した。試合を決めたのはベテラン、ジェイソン・ヘイワード外野手。8回に代打で出場し、決勝3ランを放った。一方で、近い将来、クリス・テイラー外野手が復帰予定となっており、ロースター枠の問題が浮上している。

 この日、ヘイワードは同点の8回2死一、二塁で代打で登場すると、ムニョスの99.2マイル(約159.6キロ)の高めフォーシームを振り抜いた。打球は右翼スタンドへ一直線。ベンチからナインが飛び出し、ヘイワードを迎えた。

 35歳のベテランは開幕から故障もあり、ここまで62試合で打率.203、5本塁打、OPS.658と低迷していた。チームは怪我人が続出し、トレード期限前にケビン・キアマイアー外野手らを補強。さらに負傷前は遊撃を守っていたムーキー・ベッツ内野手が右翼に配置転換された。以降は出場機会が激減し、スタメンはベッツが休養日だった15日(同16日)の敵地・ブルワーズ戦のみだった。

 試合後、デーブ・ロバーツ監督にはロースターの問題に関する質問が飛んだ。指揮官は「これが監督という仕事の難しい点。いい選手がたくさんいることはいいこと。だけどそこまで多くの枠はない」と表情を曇らせていた。今後については投手13人、野手13人を変えないことを明言したが、「誰になるかわからない」というだけだった。

 地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」のマイク・ディジョバンナ記者によると、ロバーツ監督は試合前から頭を悩ませていたという。同記者は「椅子取りゲームのような状況だ。ヘイワード、テイラー、キケ・ヘルナンデス、(ケビン・)キアマイアー、4選手がいて枠は3つ」と説明。「間違いなく難しい選択だ。いい選手がたくさんいると、それが問題になる時がある」と論じた。

 同記者の推測ではテイラーの復帰を9月以降にするプランだという。9月1日(同2日)以降、アクティブロースターが26人から28人に増える。その後にテイラーが復帰すれば、4人を同時にロースターに残すことが可能になる。一方で、テイラーが8月中の復帰となれば、枠を空ける必要がある。「誰かをIL入りさせるか、カットするかをしないといけない。それは難しい」。指揮官が頭を悩ませるのも無理はない。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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