1週間越しの“伏線”「これがつながり」 ハム新庄監督が植え付けるバントの意識
「レイエス含めて全員にバントあるよと伝えているから」
■日本ハム 7ー1 ロッテ(21日・ZOZOマリンスタジアム)
日本ハムは21日、ZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ戦に7-1で勝利し、2連勝を飾った。1点を先制された直後の3回には、2者連続で仕掛けた犠打が失策を誘い、逆転に成功。メルセデス攻略の裏には、1週間前から張られていた“伏線”があった。
3回無死二塁、水野の三塁線への犠打が悪送球を誘って同点。続く水谷の投前への犠打はメルセデスがファンブルし、決勝点につながった。新庄剛志監督は「俺もドキドキしたよ。水谷くんにセーフティ、初めて出したから。練習していたのを見ていたから、意表を突くじゃないけど」とうなずいた。
5回までに4犠打を小技を駆使した一方で、5回1死三塁から3番の郡司は4球ボール球を見送り四球を選んだ。一、三塁からは清宮が右前適時打。スクイズはしなかったが「郡司くんのときも、(スクイズを)警戒しますよね。これがつながりなんです。前回やっているから、向こうが勝手に考えてくれる」と説明した。
“つながり”とは、ちょうど1週間前のこと。同じカードで同じ投げ合いの一戦で、2者連続の初球スクイズを成功させて勝利していた。メルセデスの頭には、間違いなくまだ鮮明に残っていただろう。「ここでやらんだろうってときに、やるから」。そう言いながら指揮官は不気味に笑った。
徹底したバント攻めができるもの、チームに意識が浸透している証拠。「後ろの打者がタイミングが合っていれば、とにかく得点圏に走者を置いてただ還すだけ。レイエスを含めて全員にバントあるよと伝えているから」。メジャー通算108本塁打でも例外ではない。この徹底ぶりが、大事な3位・ロッテとの直接対決での2連勝を呼び、2位の座を守った。
(町田利衣 / Rie Machida)