巨人19歳は「チームに欠かせない」 岡本絶賛も…定位置取りへ求められる“裏の顔”の脱皮
22年ドラ1浅野が同点の適時二塁打、レギュラー取りへの課題は……
■巨人 4ー1 広島(21日・東京ドーム)
阿部巨人の救世主になるのか。高卒2年目・浅野翔吾外野手は、21日の広島との首位攻防戦(東京ドーム)の7回に同点の中越え適時二塁打。1ゲーム差に肉薄する逆転勝ちへ導き、阿部慎之助監督も「打席に入った時の表情が当たり前ですけど、素晴らしいなと思って見ています。勝負する顔というか。戦っている姿勢が僕にはよく映る」と賛辞の言葉を並べた。
ドームの空気を一変させた。1点を追う7回2死二塁、浅野は床田の外角低めへ落ちるツーシームを中越えへ運んだ。同点の適時二塁打。「強気で打ちにいきました。落ち球の変化球を狙っていました。いい感じで打つことができました」。防御率1点台の左腕の“決め球”を狙い打つ荒技を炸裂させた。
8回に決勝の20号3ランを放ったキャプテン・岡本和真も「いやもう、めちゃくちゃすごいなと思います。チームに欠かせない」と目を丸くして称賛。2022年ドラフト1位男がレギュラー取りへ突き進んでいるように見えるが、そんなに一気とはいかない。亀井善行外野守備兼走塁コーチは独特の言い回しで“裏の顔”を明かした。
「守備では意外とボケーとしています。例えば守備で『こうじゃないの?』と聞いたら『はい!』とだけで。まだ会話になっていない。走塁もそう。自分の中で(ポリシーを)“持っていない”というか。守備・走塁に関しては、まだ天性のものだけでやっている感じがする」
エリエ・ヘルナンデスが左手骨折。浅野は12日に4月8日以来4か月ぶりに1軍昇格したばかりだ。そもそも同点二塁打を放った場面でも阿部監督は「代打を考えたが、こういう場面を経験させたかった」と明かしたように、レギュラー取りへはまだまだアピールが必要だ。亀井コーチはこう続けた。
「ある意味、まだまだ伸び代がある選手ではあると思う。勝負強さを持っているしね。1軍にも対応しだしている。だいぶ、いい選手にはなると思う。だからこそ守備でも。守備をしっかりしないとレギュラーは取れないから」
辛口にも聞こえる亀井コーチのゲキは、19歳への期待の裏返し。阿部監督も「一世代若い人たちが何年か後にはチームを引っ張っていかないといけないと思う。個人的には彼がスターになって欲しいので。その期待を込めて使っています」と今後へ期待を込めた。
「プレッシャーを感じる暇もないくらい、今は必死にやっています」という浅野。ラッキーボーイを超える躍進が期待されている。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)