泣き崩れる相手に…京都国際がグラウンドで見せていた“お辞儀” 行動で伝えた「感謝」
三塁アルプスに礼をした後、関東一の一塁アルプスにも礼
第106回全国高校野球選手権大会の決勝戦が23日に行われ、京都国際が春夏通じて初の優勝を果たした。校歌斉唱を終えて大喜びで駆け出した京都国際ナインは、三塁側のアルプスに礼をした後、関東一ナインが並ぶ一塁アルプスに向かって一列に並んでお辞儀。準決勝までは見られなかった行動だったが、選手はどのような感情だったのか。
試合は1点を争う接戦となった。京都国際は中崎琉生(3年)、関東一は坂井遼、畠中鉄心両投手(ともに3年)が9回までスコアボードにゼロを並べ、延長タイブレークに突入。京都国際が2点を奪い、関東一も1点を返して一打同点の場面を作るなど、最後までどちらが勝つかわからない試合だった。
試合後、大興奮の選手たちは三塁アルプスに走り、応援団にお辞儀。その後は逆を向き、一塁アルプスに向かって列をただし、深く礼をした。視線の先には紫に染まる関東一の応援団と、死闘を演じて泣き崩れる関東一の選手たちがいた。
準決勝までは行っていなかったが、清水詩太内野手(2年)は「相手にありがとうという気持ちを伝えて、関東第一さんも凄くいいチームでしたので。感謝の気持ちを伝えました」と、お辞儀をした際の思いを明かす。
長田塁内野手(3年)は「全力で戦った相手チームに感謝をこめて、やりました」と話す。「お世話になった人、近所の人には挨拶を徹底して、気づいたゴミは率先して拾ったりとか。隙を見せないようにはやっています」と、普段から周囲の人や相手を敬う気持ち、礼儀については教えられているという。
閉会式では日本高野連の寶馨(たから・かおる)会長も、京都国際について「選手のマナーも素晴らしく、その面でも評価の高いチームです」と評価していた。校歌斉唱時には、関東一アルプスからも手拍子が送られるなど、両チームがお互いを称えあう、最後まで気持ちのよい甲子園大会だった。