わずか1試合登板→“才能開花”…鷹助っ人が激変したワケ ダントツの衝撃数値「14.29」

ソフトバンクのダーウィンゾン・ヘルナンデス【写真:小池義弘】
ソフトバンクのダーウィンゾン・ヘルナンデス【写真:小池義弘】

鷹・ヘルナンデスが強いストレートで三振を奪う

 ソフトバンクのダーウィンゾン・ヘルナンデス投手は、7月17日のロッテ戦で2つの三振を奪い、シーズン初登板から26イニング連続奪三振のNPB新記録を樹立した。

 来日1年目の昨季はわずか1試合の登板に終わったが、今季は4月下旬に1軍へ合流。ブルペン陣を支える活躍を見せている。ヘルナンデスの持ち味といえば圧倒的な奪三振能力だろう。8月16日終了時点で、34イニングを投げて54個の三振を奪っており、奪三振率は14.29をマーク。パ・リーグの奪三振率ランキングでは2位以下に大差をつけてトップに立っている。

 持ち球はストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップの4球種。ストレートの割合が非常に高く、直球主体のピッチングであることが分かる。84.7%の割合は今季10イニング以上投げている投手のあらゆる球種の中で最も高く、ストレートに大きな自信を持っていることがうかがえる。直球の平均球速151キロをマークしており、NPBの左腕としてはトップクラスのスピードボーラーだ。

 ストレートの使い方として高めのゾーンに投げ込むのが特徴で、投球の約半数を高めに投じている。打者を2ストライクに追い込んだ後はその傾向が強く、割合は追い込む前と比べて約10ポイント高い69.5%まで上昇する。追い込んだ後は捕手が中腰で構えるケースも多く見られ、意図的に高めのゾーンへストレートを集めていると考えられる。

 ヘルナンデスのストレート奪空振り率は16.2%で、ストレートを100球以上投じている投手の中でリーグ1位となっている。奪空振り率を高低別に分けて見ると、真ん中から高めのゾーンでリーグ平均を大きく上回っており、高めでは平均の2倍以上の数値を記録。一般的にストレートは低めよりも高めの方が空振りを取りやすい球種であるが、抜群の球威も相まって非常に効果的なボールとなっている。

 ここまでストレートで奪った三振の数はパ・リーグで2番目の48個。そして、そのうち38個を高めのゾーンで奪っている。自身の武器であるストレートを最も効果的なゾーンに投げ込むことで、奪三振を量産している。

 今季はホールドシチュエーションでも起用されるなど、パ・リーグの首位を独走するチームに欠かせない存在となっている。冒頭で紹介した連続イニング奪三振は8月に入って途切れたものの、最終的には29イニングまで記録を伸ばした。4年ぶりにリーグの頂点に立つその日まで、鷹の剛腕リリーバーは意気揚々と腕を振る。

※文章、表中の数字はすべて2024年8月16日終了時点

(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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