田中正義が復帰も「目の前で見せて…」 最終回に21歳右腕を送ったハム新庄監督の真意
9回に柳川が2点リードを守れずも「こういう日がなかったら成長しない」
■西武 6ー5 日本ハム(1日・ベルーナドーム)
日本ハムは1日、ベルーナドームで行われた西武戦で9回に逆転サヨナラ負けを喫し、2連敗となった。高卒3年目の柳川大晟投手が救援に失敗。この日から田中正義投手も1軍に戻ってきたが、21歳右腕を最終回のマウンドに送り出した新庄剛志監督は「こういう日がなかったら成長しない」と責めることはなく、“競争”の姿勢を打ち出した。
同点の9回に水野の適時三塁打、清宮の適時打で2点の勝ち越しに成功。その裏、抑えを託されたのが柳川だった。しかし先頭の長谷川にストレートの四球。西川の右前打などで2死満塁のピンチを招くと、代打・栗山に9球目を見極められ、押し出し四球で1点差とされた。ここで池田にスイッチも、元山に2点適時二塁打を浴びて万事休す。痛い1敗となってしまった。
「柳川くん、どうしたんだろうね。今日は腕が振れていなかったし、緊張したのかな。暑さなのか、マウンドが合わないのか」と首を傾げた指揮官。8月7日に初セーブを挙げてから、10試合中9試合が無失点と抜群の安定感を誇っていただけに思わぬ乱調だったが、これもまた経験といったところか。「もうこの残り試合数は1試合1試合切り替えていかないとね」と強調した。
守護神を務めるも8月6日に抹消されていた田中正がこの日、約1か月ぶりに出場選手登録された。今後の抑え構想については「競争ですから。目の前で正義君に見せて、こういう時に柳川君が抑えてほしかったね。それでまた燃えてくると思うし。で、次は正義くんを柳川くんが見て」。シーズンは佳境だが、チーム内競争による底上げを目論む。
田中とともに杉浦もブルペンに復帰し「またものすごい(層が)厚くなった。ちょっと休ませながら行ける投手陣になってくれたらと思います。 杉浦君も久々のマウンドでちょっと違った感覚だったと思うので(1回1安打2四球無失点)、次は大丈夫でしょう」とうなずいた。
「自信持って出した選手で、選手が活躍をしてこの順位にいるわけですから。これからも選手を信じて、グラウンドに出すのは僕なんで、思い切ってやってもらえたらいいです」と新庄監督。ブレない姿勢で、痛恨の敗戦を糧にする。
(町田利衣 / Rie Machida)