激化するMVP論争…NYでは“一択” 大谷翔平に強烈皮肉「守備での影響はゼロ」

ドジャース・大谷翔平(左)とメッツのフランシスコ・リンドーア【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平(左)とメッツのフランシスコ・リンドーア【写真:ロイター】

「リンドーアのパフォーマンスはオオタニの3度目のMVPを阻む正当な挑戦」

 ドジャースの大谷翔平投手はナ・リーグトップの46本塁打を放ち、史上初の「46本塁打&46盗塁(46-46)」に到達。MVP争いで有力候補とされる。シーズンも終盤となり、メッツのフランシスコ・リンドーア内野手との“MVP論争”も激化しているが、ニューヨークでは“一択”のようだ。

 今シーズンBBWAAのMVP投票記者30人のうちの1人である地元紙「Newsday」デビッド・レノン記者は「『最も価値のある(most valuable)』の定義は、先週シティフィールドでよく議論された。リンドーアのパフォーマンスは、ショウヘイ・オオタニの3度目のMVP受賞を阻む正当な挑戦であると多くの人が信じていた」と主張した。

 今季の大谷は野手に専念。来季は投手復帰も見込まれるだけに「史上最高のDHで、“50-50”を達成した最初の選手になることはほぼ確実だが、オオタニがDHでいる今年は、ナ・リーグでオオタニ以外がMVPを受賞できる最後のチャンス」という。

 しかし「攻撃面でどのような活躍をしようが、プレーするのは野球の半分だけ。ドジャースの守備時は名誉ある観客でありチャベス・ラビーン(ドジャースタジアムのニックネーム)で最高の席を確保したファン。イニングの半分にあたる守備ではチームの勝敗に与える影響はゼロになり、その時彼の価値はドジャースの(ダグアウトの)ゲータレードクーラーよりもわずかに大きいに過ぎない」と痛烈な皮肉を述べた。

 あくまで、攻撃面の観点では大谷が圧倒していることはレノン記者もわかっている。それでも「問題は主にDHで出場した選手がMVPを受賞したことがないこと。DHでの出場時間が最も長い受賞者は、1979年のエンゼルスのドン・ベイラー外野手(162試合中65試合)」だと説明する。

「メッツはリンドーアなしではワイルドカード争いに加わっていないことは明らか。10月(のプレーオフに)進出するかどうかは、リンドーアに対する(MVP)投票者に影響を与えそうだ」とチーム状態に懸念も示す。シーズンも終盤に入り「残りの期間は投票に大きなウエイトを占めるかもしれないが、シティ・フィールドでは、客席の『MVP』チャントから上の方のフロント陣まで、もう誰もが(MVPがリンドーアだと)決めている」というほど後押ししている。栄光はどちらが手にするのだろうか。

(Full-Count編集部)

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