西武が屈した“1-16”…圧倒された天敵の存在 8度の直接対決がCS争いにもたらす影響
今季、ロッテの対西武戦は16勝1敗
今季、ロッテは西武に対して開幕から破竹の16連勝を記録し、8月29日に西武が1勝を挙げるまで、その“相性”は多くのメディアに取り上げられた。このカードがシーズンの行方を占う9月において7試合残されていることもあり、今後の対戦成績がチームの最終順位に影響を及ぼす可能性も大いにありうる。今後の展望を改めて占ってみる。(成績は8月29日の試合終了時点)
ロッテの先発陣では、種市篤暉投手が3試合で2勝を挙げて防御率0.82、西野勇士投手も同じく3試合に登板して3連勝を記録して防御率0.87と、いずれも素晴らしい成績を残している。さらに、CC・メルセデス投手も2試合に先発して防御率1.50と、安定した投球を見せている。
小島和哉投手は今季のシーズン防御率が4.00と安定感を欠く投球も散見されるが、西武戦では防御率2.18、奪三振率7.40と一定以上の数字を記録している。これらの数字からも、先発陣の主力を務める投手たちが、総じて好相性を示していることがわかる。
リリーフではセットアッパーを務める鈴木昭汰投手が8試合に登板して5ホールド2セーブ、防御率0.00という圧倒的な投球を継続。益田直也投手は4試合でセーブを記録し、ここまで1人の走者も許さない完璧な投球を披露している。坂本光士郎投手も3試合で1勝1ホールド、防御率0.00。現在は1軍を離れている澤田圭佑投手と岩下大輝投手も同じく防御率0.00を記録しており、リリーフにおいても相性の良い投手が多く存在する点も特徴的だ。
打線ではチームの中軸を務めるネフタリ・ソト内野手が17試合で打率.254、3本塁打、12打点、出塁率.351、OPS.828と、グレゴリー・ポランコ外野手と並びポイントゲッターとしての役目を果たしている。ポランコは打率こそ.230とやや低いものの、17試合で6本塁打とパワーを発揮している。
佐藤都志也捕手は13試合で9打点2盗塁、打率.327と好成績を記録し、岡大海外野手も12試合で7打点、打率.289、出塁率.400、OPS.844と活躍。角中勝也外野手は打率.409、出塁率.519、OPS1.246を披露。藤岡裕大内野手は10試合で14安打5打点、打率.378、出塁率.452、OPS.912と上位打線での起用に応え、田村龍弘捕手も打率.438、出塁率.500、OPS1.063と得点力向上に寄与する働きを見せている。
ロッテに相性がいい西武の大ベテラン
西武の本拠地のベルーナドームでは種市が2試合に先発し、防御率1.20。リリーフ陣では鈴木が2試合で2ホールド、防御率0.00。益田も3試合で3セーブを挙げて防御率0.00、奪三振率12.00を誇っている。
野手では10打数5安打の打率.500という驚異的な成績を記録している藤岡。出塁率.545、長打率.600、OPS1.145と他の数字も軒並み優秀で、埼玉の地で抜群の存在感を示している。8月30日に1軍復帰を果たした安田尚憲内野手もベルーナドームでは打率.273、出塁率.429、OPS.883と優れた打撃を見せており、終盤戦に向け興味深い存在となるかもしれない。
西武では松本航投手が4試合で防御率1.80と好成績を残しているほか、8月29日の試合でロッテ打線を6回途中を0点に抑えて勝ち投手となった渡邉勇太朗投手が好相性を見せている。佐藤隼輔投手は7試合で防御率0.00と見事な投球を展開し、田村伊知郎投手も3試合で防御率0.00だ。
西武の打者でロッテに相性がいいのは41歳の大ベテラン・中村剛也内野手だ。8試合の出場で3本塁打を放っているだけでなく、打率.292、出塁率.346、長打率.750、OPS1.096と抜群の数字を残している。現在は不振もあって1軍から離れているが、シーズン終盤に戻る可能性は残されているはずだ。
クライマックスシリーズ(CS)出場圏内をめぐる2位以下の争いは混戦が続いている現在のパ・リーグ。ロッテと西武の対戦成績が最終的に大きな意味を持つことになる可能性は高い。残る8試合の結果がどのように推移するか注目だ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)