寝癖が残る中で球場入り 大谷翔平が天王山で見せた“いつも通り”と執念
94長打の球団記録を更新も…パドレスに痛恨の敗戦
【MLB】パドレス 4ー2 ドジャース(日本時間25日・ロサンゼルス)
まさかの結末を信じたくなかった。2点差となった9回無死一、二塁でトリプルプレー。リプレー検証中、大谷翔平は左打席に立ち、結果を待っていた。判定は覆らず、球審による無情のアナウンス。歓喜に沸くパドレスナインを横目に、口を真一文字に結んでベンチへ引き上げた。
試合開始4時間前の午後3時過ぎ。直前まで疲労回復に努めていたのだろうか、寝癖がついたままでの球場入りとなった。左翼付近でのキャッチボールを行った後には小走りでグラウンドを横断。右翼ポール際で練習していたダルビッシュ有、松井裕樹との談笑した。あふれる笑顔。雌雄を決する天王山と感じさせないリラックスぶりだった。
初回に右翼線へエンタイトル二塁打。今季35本目の二塁打で、7三塁打、53本塁打と合わせてシーズン95長打。1930年にベーブ・ハーマンが樹立した94長打の球団記録を更新した。2回2死一、二塁では四球を選んだが、続くベッツが満塁機で空振り三振。5回1死では好守に阻まれた。94年ぶりの球団記録を作っても、チームが勝たなくては満足度もないだろう。
トリプルプレーでのゲームセットはメジャー史上28度目の珍事。ロバーツ監督は9回に大谷に打席が回らなかったことについて、「ショウヘイが打席に立たない確率は1%未満だった。不運にも小さな確率が当たってしまった」と肩を落とした。
3連敗なら首位転落する。大谷は試合終了から14分後、早々に帰路に就いた。今こそ持ち前の切り替えの早さを見せつける時だ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)