トレード加入2年目で防御率1.91…CSの「キーポイントに」 新庄監督が期待する167cm右腕
山本拓実が1回1/3を無失点で負けなしの今季6勝目、34試合で防御率1.91
■日本ハム 7ー6 ソフトバンク(28日・エスコンフィールド)
日本ハムは28日、エスコンフィールドで行われたソフトバンク戦で逆転サヨナラ勝ちを収め、2位を確定させた。5番手で登板した山本拓実投手が、1回1/3を無失点の好投で6勝目。今季34試合でいまだ負けなしという驚異の勝ち運に、新庄剛志監督も短期決戦の「キーポイントの選手になる」と期待を寄せた。
3点リードの8回、4番手の池田が山川に3ランを浴びて同点とされると、なおも2死二塁から柳町の中越え三塁打で勝ち越しを許した。呆然とする右腕。このピンチでマウンドに上がったのが山本拓だった。代打・今宮を2球で中飛に打ち取り、イニング跨ぎとなった9回も3者凡退でピシャリと強力打線を封じた。劇勝を呼び込む好投だった。
34試合の登板で防御率1.98。何よりも6勝0敗という数字が頼もしい。「すごいよね」と驚く指揮官は「こういうのがね、クライマックスシリーズ(CS)で必要になってくるんですよ。CSでキーポイントの選手が投手1人、野手と……3人かな。それが誰かは何試合かしてみないとわからないですけど、山本くんはこのキーポイントの1人には入りますね」と大きな信頼を口にした。
昨季途中に中日からトレード加入。移籍後は26試合で防御率1.50を記録し、今季は開幕1軍を掴んだ。春先に約1か月半の抹消期間があったものの、身長167センチと小柄な右腕がどでかい存在感を示す。
2018年以来、6年ぶりに進出するCSは本拠地で開催することが決まった。ファーストステージは2勝先行で勝ち抜けが決まる超短期決戦とあって、シーズン中以上に“ラッキーボーイ”の存在が鍵を握る。ソフトバンクへの挑戦権、さらには日本シリーズへ。山本拓が投げれば流れが来る。
(町田利衣 / Rie Machida)