絶対的エースや精神的支柱、優良助っ人が離れても V奪回の鷹を牽引…4年前を知る男たち
2020年は千賀が投手3冠、モイネロら救援も盤石…柳田がMVPに輝いた
ソフトバンクは今季、4年ぶりのリーグ優勝を果たした。今回は、リーグ優勝&日本一を手にした2020年シーズンで主力として活躍した選手を確認。4年が経過した今季も主力を務めている選手を紹介する。(成績は9月29日終了時点)。
新型コロナ禍により120試合に短縮された2020年、エースの千賀滉大投手が11勝、149奪三振、防御率2.16で投手3冠を手にした。石川柊太投手も11勝3敗で最多勝と最高勝率の2冠。東浜巨投手は9勝で防御率2.34をマークした。マット・ムーア投手は防御率2.65、奪三振率10.27を記録し、巨人との日本シリーズでも7回をノーヒットに抑える快投を見せた。和田毅投手は16試合で8勝1敗。先発陣は質量ともに充実の布陣だった。
リリーフでは前年に12勝で新人王に輝いた高橋礼投手が52試合で23ホールド、防御率2.65。2年目の泉圭輔投手も40試合で防御率2.08だった。嘉弥真新也投手は50登板で防御率2.10、奪三振率9.90。リバン・モイネロ投手は50登板で38ホールド、防御率1.69、奪三振率14.44で最優秀中継ぎに輝いた。抑えの森唯斗投手は52試合で6ホールド32セーブ、防御率2.28をマーク。松本裕樹投手や津森宥紀投手も台頭し、ブルペンも強力メンバーが揃っていた。
野手では、一塁の中村晃外野手が100試合で打率.271、出塁率.341。自身初のゴールデングラブ賞を受賞した。二塁の周東佑京内野手は打率.270、出塁率.325、50盗塁。自身初の盗塁王を手にした。故障の影響で43試合出場にとどまった今宮健太内野手の代役を務めた川瀬晃内野手が打率.191。シーズン終盤は牧原大成内野手や周東が遊撃を守る機会が増えた。
三塁では松田宣浩内野手が116試合に出場し、13本塁打を放った。明石健志内野手が63試合で打率.253、川島慶三内野手が59試合で打率.263、出塁率.369とスーパーサブの役割を果たした。外野では柳田悠岐外野手が最多安打に加えて自身2度目のリーグMVPにも輝いた。主に右翼を務めた栗原陵矢捕手は118試合に出場し、規定打席に到達。17本塁打、73打点を記録し、日本シリーズでは14打数7安打の打率.500でMVPを受賞した。。
栗原は右翼から三塁、周東は二塁から中堅へ…様変わりしながら好結果
当時、チームの主力だった投手で、今季も活躍している顔ぶれを確認する。2020年は25登板で防御率3.49だった松本は救援陣の柱に成長した。津森も同年は15登板だったが、今ではセットアッパーとして活躍する。石川は8月以降に5連勝を記録するなど終盤に調子を上げた。東浜は登板機会を減らしたものの、和田は43歳にして自身初ホールドを記録するなど、リリーフとして新境地を開拓しつつある。モイネロは先発として躍動。リーグトップの防御率を記録している。
今季も活躍を続けている野手の1人が周東。ポジションを中堅に移し、2年連続3度目の盗塁王に近づいている。牧原大も今季は主に二塁で好成績を残している。甲斐拓也捕手はレギュラーを維持し、打撃面でも好調だ。2020年は故障に泣かされた今宮も遊撃のレギュラーとしてチームを支えている。
外野だった栗原は昨季から三塁に移り、今季は136試合で打率.269、17本塁打、80打点を記録。中村晃は不振に陥っているが、川瀬は102試合で打率.267と、1割台に終わった2020年から大きな成長を示した。
柳田は今季も打率.293、OPS.819と好成績を残していたが、5月31日の試合で負傷して長期離脱を強いられた。ポストシーズンでの実績も豊富な大黒柱の復帰は、日本一奪回を目指すチームにとっても大きな後押しとなり得る。
移り変わりの激しいプロ野球で、4年も経てば選手の顔ぶれも大きく変化する。メジャーに移籍した千賀、精神的支柱だった松田、優良助っ人コンビのジュリスベル・グラシアル内野手とアルフレド・デスパイネ外野手ら既にチームを離れた選手は少なくはない。ポストシーズン6試合を全勝で圧倒したV戦士たちが、短期決戦で見せるプレーに注目する価値は大いにあるだろう。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)