鷹・甲斐を破った日本ハム24歳…衝撃の1.78 100分の1差、キャノンを制したビーム
日本ハム・田宮の二塁送球は1秒78…鷹・甲斐の1秒79を上回った
投手が足を動かすやいなや、一塁走者がスタート。投球を受けた捕手が二塁へ送球。二塁カバーに入った内野手がを捕球して、走者にタッチする。数ある野球のプレーの中でも、毎回スリルを提供してくれる二塁盗塁の場面だ。捕手が捕球してから二塁に送球し、内野手がグラブに収めるまでの時間は「ポップタイム」と呼ばれ、マニアな野球好きから注目されている。開幕から8月31日までの盗塁阻止ポップタイムTOP5を紹介する。
2019年にこの企画が始まってから隆盛を極めていた「甲斐キャノン」ことソフトバンク・甲斐拓也選手が、1秒83でいきなり5位にランクイン。甲斐は強肩ぶりもさることながら、「正確さ」も伴っているところに他の捕手との違いがある。プロには甲斐に負けず劣らずの強肩捕手はいる。だが、送球がバラついては盗塁阻止は難しい。コントロールはタイム以上に重要で、甲斐が高い盗塁阻止率をキープしてきた要因だろう。
4位は西武・古賀悠斗捕手で1秒82。送球の精度にはまだまだバラつきがあるが、このタイムを記録したプレーではボールに指がかった強い送球ができたことで好タイムにつながったと思われる。アウトできたのは、いわゆる“ゼロ秒タッチ”といわれる高度なプレーを二塁手・外崎修汰内野手が見せたからだ。ほぼ捕球したところで走者の体に触れるようなタイミングをとってタッチし、アウトにした。捕手と野手との合わせ技による盗塁阻止といえるだろう。
1秒80で3位になったのはロッテ・佐藤都志也捕手。上半身の動作がコンパクトで無駄がないところに特徴がある。体の中心線付近で捕球し、上半身を極力脱力して下半身主導で送球する。二塁カバーに入った遊撃手・友杉篤輝内野手もうまかった。ショートバウンドをうまく捕球して、そのままの流れで“ほぼゼロ秒タッチ”だった。2位は1秒79で再び甲斐だった。
1位は日本ハム・田宮裕涼捕手で、タイムは1秒78。甲斐の1秒79と0秒01差だった。6年目24歳の田宮は今季前半に打撃が開花してブレークしたが、強肩も売りにしている。成田高時代から、すでに高校生離れした二塁送球を披露していた。捕球動作の足運びと、効率的な送球に連動させる流麗かつ力強いスローイング。これこそが、田宮が歩んできた道のりの成果として表現されているといえるだろう。
(「パ・リーグ インサイト」キビタキビオ)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)