メジャー146発も…巨人を6安打で退団「日本時代は辛かった」 元助っ人が感謝するワケ

巨人時代のエドガルド・アルフォンゾ【写真提供:産経新聞社】
巨人時代のエドガルド・アルフォンゾ【写真提供:産経新聞社】

2009年に巨人でプレーしたアルフォンゾ氏が語る日本野球

 日本人が注目する舞台での大役に心が湧いた。2009年に巨人でプレーしたメッツOBのエドガルド・アルフォンゾ氏は本拠地で行われたドジャースとのリーグ優勝決定シリーズで始球式を行った。大観衆のシティフィールドにロビン・ベンチュラ氏とともに登場すると大歓声に沸いた。

 17日(日本時間18日)の第4戦、大谷翔平投手が出場し、日本人が注目する中で行われた始球式。現役時代と同じ背番号「13」のユニホームを着て、ベンチュラ氏のボールを受け取ると笑顔を浮かべた。「とても光栄だったね。非常に光栄だった。特にシーズンのこの時期で、プレーオフで、たくさんの人が観ている」と笑顔を浮かべた。

 アルフォンゾ氏はメッツで2000年に打率.324、25本、94打点の成績を残し、ワールドシリーズ出場に貢献した。その後、2009年にはテスト入団で巨人入り。開幕前には3月のWBC強化試合で本塁打を放つインパクトを残したがシーズンは鳴かず飛ばず。21試合で打率.146、2本塁打4打点で1年で退団した。

「日本時代は辛かったね。ひざがついてきてなかった、怪我をしていたんだ」。苦しいシーズンを振り返るが、決して嫌な思い出ではないという。「とてもよく受け入れてくれた。チームはすばらしかったし、日本の野球も大好きだった」。感謝を込める。「野球の仕方にとても敬意を感じるし、真剣に捉えている。だから日本は前回WBCで優勝したのだと思う」と振り返った。

メッツOBのエドガルド・アルフォンゾ氏【写真:川村虎大】
メッツOBのエドガルド・アルフォンゾ氏【写真:川村虎大】

日本は「野球そのものにとても敬意を払っている」

 自らが苦しんだ経験があるからこそ、大谷やダルビッシュ有、山本由伸投手ら日本選手がメジャーで活躍することに驚きはない。「自分が思うには、日本でのほうが、野球を仕事ととらえていると思う。職業という意味での仕事だね」と米国との違いを分析する。

「米国ではみんな野球を楽しんでいて、色々自由にできる。こっちでは目立ちたがり屋が色々といるからね。でも、だから僕は日本の野球が好きなんだ。野球そのものにとても敬意を払っているから。僕は日本の野球は難しいと思う。みんなそう思っていないが、あっち(日本)でプレーするのは難しいんだよ」

 米通算1532安打、146本塁打のスターの実績を背負いながら、日本ではわずかに6安打と結果は散々だった。それでも、1年間はアルフォンゾ氏にとってかけがえのない1年。全く後悔はしていない。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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