リスク犯しても「宗山にいってくれ」 担当外のスカウトさえ“賛同”した指名の舞台裏

指名挨拶を行う石井一久SD、明大・宗山塁、森井球団社長(左から)【写真:加治屋友輝】
指名挨拶を行う石井一久SD、明大・宗山塁、森井球団社長(左から)【写真:加治屋友輝】

楽天・石井SD「僕と違って爽やか」

 2024年の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が24日、開催された。明大の宗山塁内野手は5球団が1位指名で競合したが、抽選の結果、楽天が交渉権を獲得した。楽天の森井誠之球団社長と石井一久シニアディレクター(SD)は、同日夜のうちに明大を訪れ、宗山に挨拶。森井社長は競合確実でも宗山を指名した理由を語った。

 今ドラフトの目玉選手とあって、競合はほぼ確実とされていた宗山。“リスク”の高い指名となったが球団として迷いはなかったという。

「スタッフから10年(に一人)の逸材だと、皆さんにそうやって評価いただいている選手。いろいろなエリアのスカウトの方々がいるなかで、それでも宗山選手にいってくれ、と。全エリアのスカウトさんが言うのであれば、もう疑う余地はなしということでいかせていただきました」

 抽選から約3時間が過ぎていたが、森井社長の興奮は収まらない様子。宗山にも「全員の総意で選ばせていただきました」と伝えたことを明かした。自身も明大出身で宗山の“先輩”となるが「私は一般的な学生でした」と恐縮した。

 同席した石井SDは宗山について「僕と違って爽やか」と笑わせた。しかしすぐに真顔で「宗山選手を見たいから球場に行くんだと。小さい子が宗山選手のようになるんだというスケールの大きい選手になってほしい」と期待を寄せていた。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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