バットのヘッドを「走らせる」解決法は? メジャーで流行…子どもも体感できる“重み”
グリップエンドに重心を置いた“こけしバット”効果を大阪桐蔭元主将・廣畑実氏が解説
バットのヘッドを走らせるためには、グリップとの“入れ替え”が重要になる。細かな技術の習得には時間が必要だが、バットの形状を変えるだけで感覚を掴むことは可能だという。大阪桐蔭高元主将で野球塾「Amazing」の代表を務める廣畑実氏は、「ポイントはグリップエンドの重さを生かすこと」と語る。
打球の飛距離を伸ばし、強い打球を生み出すためには、ヘッドスピードが重要だ。体の開きを抑え、内側からバットを出す「インサイドアウト」のスイングが一番の近道。廣畑氏も「バットの軌道とインパクトが、点ではなく“線”になることが大事。バットを内側から出すことで確率は上がり、難しい球にもファウルで逃げることができる」と説明する。
内からバットを出すイメージを、身振り手振りの指導だけで子どもたちに理解してもらうのは難しい。特に小・中学生には実際のスイングのなかで体感できることが大切だ。そこで、廣畑氏は「バットを替えて練習するのも有効です。振るだけで感覚を得られることもあります」と、グリップエンドに重心を置いた“こけしバット”を勧めている。
近年はメジャーリーグでも流行しており、アイスホッケーのパックにグリップエンドの形が似ていることから「PUCK KNOB」(パックノブ)とも言われている。バットを出す時に、グリップエンドの重みが手の操作をリードしてくれて、インパクトの際には支点となり、自然にヘッドが走る。
「人間は押す動きよりも、引く動きのほうが安定します。ボトムハンド(バットを握った時に下に来る手)に重みがあると、(テークバック時に)スムーズに引くことができる。これによりバットの操作性は楽になり、振り抜きやすさを体感できると思います」
野球ギアを展開する廣畑氏も、グリップエンドに重心を置いた「PENTA5ON」(85センチと82センチ)を開発し、今年4月に販売すると即売り切れるほどの注目度だという。素振りやティー打撃だけでなく、実打も可能で「誰もがスキルアップを体感できるために野球ギアがあります。うまく活用して、子どもの時から少しでも技術を上げてほしい」。廣畑氏は日本の野球レベルを上げるため、死力を尽くしていく。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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