大谷翔平、世界一後に待つ“受賞ラッシュ” 史上初の偉業は確実か…球界最多更新も

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

ハンク・アーロン賞の両リーグ受賞は史上初

 まだまだ歓喜の時は続きそうだ。ドジャース・大谷翔平投手は今季、自身初の世界一を達成した。移籍1年目から54本塁打と130打点で2冠を獲得。史上6人目の「40本塁打&40盗塁(40-40)」だけでなく、前人未到の「50-50」も成し遂げた。シーズンは終わったものの、この後は各種アワードの発表が待っている。

 12日(日本時間13日)には、リーグ毎に各ポジションで優れた打撃成績を残した選手に贈られる「シルバースラッガー賞」の受賞者がメジャーリーグ機構(MLB)から発表される。指名打者に限らず、今季の大谷よりも優れた打撃成績を残した選手はナ・リーグには皆無。エンゼルス時代の2021・2023年以来、3度目の受賞は確実だろう。

 14日(15日)は文字通りの“受賞ラッシュ”の日となりそうだ。この日は「オールMLB」、「ハンク・アーロン賞」、「エドガー・マルティネス賞」の発表日。「オールMLB」はファン投票とメディア関係者などによる選考委員会による投票を50%ずつの割合で合計して決定される表彰で、両リーグ合わせて「ファースト・チーム」と「セカンド・チーム」が選出される。

 大谷は2021年に指名打者部門で「ファーストチーム」、先発投手部門で「セカンドチーム」に選ばれ、史上初めて投打で選出された。2022年は先発投手部門で「ファーストチーム」、指名打者部門では「セカンドチーム」で選出。2023年は史上初めて投打で「ファーストチーム」入りしている。

「ハンク・アーロン賞」は各リーグからその年に最も活躍した打者に贈られる。大谷は昨年初受賞を果たしたが、ア・ナ両リーグで受賞した選手は1999年の創設以降に存在しない。初の両リーグ受賞に注目が集まる。

フランク・ロビンソン以来2人目の両リーグMVPも確実視

 年間で最も活躍した指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」の受賞も確実の情勢だ。大谷は今季、打撃タイトルの他に134得点、出塁率.390、長打率.646、OPS1.036などでもリーグ1位。59盗塁のスピードも生かし、勝利貢献度WAR9.2もトップだった。指名打者のこれまでのWAR歴代1位は、同賞の名前にもなっているエドガー・マルティネスの7.0(1995年)。2024年の大谷は“指名打者歴代最高のシーズン”とも言える。

 そして、BBWAA(全米野球記者協会)による年間最優秀選手(MVP)の発表が21日(同22日)に行われる。MLB公式サイトが「ショウヘイ・オオタニは、4シーズンで3度目となるMVP受賞の最有力候補と見られている」と言及するように、大谷は2年連続3度目のMVP受賞が期待される。両リーグでの受賞となれば、フランク・ロビンソン(1961年レッズ、1966年オリオールズ)以来2人目。さらに、フルタイムの指名打者では初の偉業となる。

 また、MLBの表彰アワードではないものの、AP通信による「年間最優秀男性アスリート」を受賞する可能性もある。ドジャース入団後の昨年12月21日(同22日)、大谷は自身2度目の受賞を果たした。複数回受賞は日本人&アジア人初だった。もし3度目の選出となれば、球界では初の快挙となる。

 レギュラーシーズン、ポストシーズンと数々の記録と記憶を作り続けた一年。シーズンオフも、大谷の話題に事欠かない日々になりそうだ。

(新井裕貴 / Yuki Arai)

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